月刊誌『人材教育』2011年02月号

対話(ダイヤログ)やコミュニケーションの重要性は容易に理解されますが、実際にコミュニケーションの問題を一切抱えていない職場はない、といっても過言ではないでしょう。
対話のベースは一人ひとりの「話す力」「聞く力」であり、相手への気遣いや信頼に基づいた話し合いを、ルールを設けて重ねることが、価値観を共有するなどの”次のステップ”につながることを、企業事例や識者の知見から紹介します。
ワールド・カフェや全社員の対話集会など、対話を軸とした手法や施策などから、組織を「学習する組織」化していくヒントも得られます。

木川理二郎
人間同士の「対話」と
価値観の共有が
国を越えた連帯感を生む

人間同士の「対話」と 価値観の共有が 国を越えた連帯感を生む 世界不況の痛手からいち早く立ち直り、新興国の目覚ましい発展の波に乗る建機業界。 そのトッププレイヤーの1社として、中国、インドをはじめ、世界にネットワークを拡大し続けるのが 日立建機である。油圧ショベルを主力製品に、建設機械、産業機器の製造、販売、 アフターサービスなどを展開する。同社のグローバル展開はどのように達成されてきたのだろう。 企業文化を体現する「Kenkijinスピリット」こそその要、と語る木川理二郎代表執行役社長に、 グローバル人材育成における信念を聞いた。

組織活性の「対話力」

昨今、日本の職場では、組織構成員の 多様化など、さまざまな要因から、 価値観の多様化が起きている。 そうした中、多様な人々をまとめて鼓舞し、 チーム力や組織の知識創造性を 高めていく「対話力」を持って、 組織を強化、活性化することが 求められている。 そうでなくても、一筋縄ではいかない コミュニケーションだが、 あくまでベースとなるのは 1人ひとりの従業員の 話す力」や「聞く力」だ。 では、「話す」「聞く」をベースとした 対話力」はどうしたら 向上することができるのか。 明日から真似できる ちょっとしたテクニックから、 心髄をつく考え方までを紹介する。

信頼に基づく話し合いが、組織を活性化する

重要性は意識できても、なかなか改善することができないのがコミュニケーションである。 組織の力を発揮できるコミュニケーションや人間関係は、どうしたら構築できるのだろうか。 そして、集団の知を活かすためには、どう手を打てばよいのだろうか。 社員1人ひとりの「話し方」「聞き方」をベースに、組織を活性化し、多様性を活かす方法について探究した。

心と心をつなぎ直す、話す力・聞く力とは

個々人のコミュニケーションのとり方が、組織に影響を与えることはいうまでもない。 では、組織の構成員1人ひとりが、どういった話し方・聞き方や接し方をすれば組織が活性化されるのだろうか。 1983年に「話し方研究所」を設立し、企業や組織のコミュニケーション良好化に寄与してきた福田健氏が、その考えと、良い話し方・聞き方を語る。

個人の創造性とやる気を組織力に高める対話

NEC では2007年より、組織改革のための大規模な対話集会が行われてきた。これを支える 中島英幸氏(コーポレートコミュニケーション部)が、自身の経験をもとにした対話の有効性を、P32からはその活動を中島氏をはじめとするメンバーとともに推進する小西勝巳氏(経営企画部)が具体的な取り組みを語る。

ビジョン・バリューを全社的
対話で策定、共有・実践へ

日本を代表するメーカーの1社、NEC では、2007年から対話を通して 組織の活性化に取り組んでいる。具体的には、「めざす姿」としてのビジョンと、 「社員が大切にする価値観」としてのバリューを、 社員の「全員参加」の対話を通して策定。 さらに、それを共有し、個々人の実践につなげていく段階でも 対話を積極的に活用している。

達人に聞く 対話のコツ
ダイドードリンコ/三菱鉛筆/アスクル/東京カウンセリングセンター

毎日、仕事を進めるうえでは、さまざまな「対話」がある。 顧客との対話、チームでプロジェクトを推進するための対話、顔の見えない相手との対話、カウンセラーの対話…… さまざまな場面での対話の達人に、対話でのコミュニケーションのコツを聞いた。

部下と上司の意識を変革し
本音の対話を引き出す

トヨタグループの高分子部品(ゴム・樹脂)部門の中核企業として、 自動車の内外装部品やエアバッグ、LED などを製造している豊田合成。 同社では、人材育成や組織改革の必要性を突き詰めた結果、2007年から、 上司と部下との関係に焦点を当てた“風通しの良い職場”づくりに注力。 管理職を対象に、研修や評価などを組み合わせた施策を行っている。

上司のきめ細やかな指導が
話す力・聞く力を育む

情報通信サービス関連の事業を展開する三菱電機情報ネットワーク。 同社のセキュリティ・プラットフォームサービス事業部では、 特に「聞く力」を向上するために、対話力を強化する研修を実施。 事前にアンケート、事後に部長自ら、部員に対するフィードバックを行うなど、 きめ細やかに教育の効果を上げる工夫を行っている。

“学習する組織”をつくる
ワールド・カフェの対話

集団で対話を重ね、気づきを得るための手法であるワールド・カフェ。 日本での第一人者、香取一昭氏は、長年企業内で学習する組織の実現に向けて活動してきた。 2003年にワールド・カフェに出会い、組織改革における有効性を実感。現在は各地で推進に努める香取氏に、 ワールド・カフェの仕組みと、そこからいかに学習する組織が創られるのかを聞いた。

世界規模のワールド・カフェで
学習する組織を実現

コンピュータやインターネット用のセキュリティソフトの開発・販売を 手がけるトレンドマイクロ。グローバル展開している同社では、 4年前から学習する組織をめざす取り組みを全社的に行ってきた。 同社が対話力強化のために導入しているのがワールド・カフェだ。 実際にワールド・カフェがどのように機能しているのか、 同社の事例を通して見ていく。

組織の対話の量、質は
科学の力で測れる!
対話を可視化する「ビジネス顕微鏡」

対話の実態は目に見えない――そんな常識を覆す画期的なシステムがある。 最先端のセンサネット技術により、職場のダイレクトな コミュニケーションを可視化する「ビジネス顕微鏡」である。 科学技術を駆使した顕微鏡が映し出す 「組織」と「対話」の関係について、開発者は語る。

経営学が人事・教育者の
強力な武器になる

人事・人材育成担当者は、企業の中で何を成す存在か? さまざまな答えがあるだろうが、一番重要な役割は「経 営は人なり」を実現することである。その時に武器と なるのは「経営学」の知識。経営をも経験した育成プ ロフェッショナル、酒井穣のスペシャル誌上講座でその 武器を手に入れる。

小さな変化の積み重ねが
組織を大きく変えていく

サトーには、変化を主導する「企業家」を育成するという 人材ポリシーがある。それを実現するのが、 リーダーシップを支える創発インフラ「三行提報」である。 この仕組みにより、次々と進化するサトーのマネジメントを紹介する。

人の縁と逆境が人を大きく育てる

ここ数年の飲料業界の市場規模は、 ほぼ横ばい。そうした状況の中で、 サントリーフーズの業績は好調を持 続。この10年、同社は1.4倍の成長 を遂げ、今や収益においてもグルー プの中核を担う存在だ。だが、「好 調だからこそ、人づくりが大切だ」 と話すのは、人事部部長の斎藤恒存 氏である。不調の時、辛い時こそ、 現場で人が育つからだ。そう語る氏 は、常に人との縁を大切にしながら 数々の困難を乗り越えてきた。そし て現在、“「人を育てる人」を育てる” というトップからのメッセージに応え るべく、日々人づくりに全力を注ぐ斎 藤氏に、教育への想いを伺った。

いまIFRS 教育が
いちばん必要なのは、誰か!?

2011 年、会計制度のグローバル 化が目前に迫る中、国際財務報告基 準(以下、IFRS)に関する情報の 多くは各論に終始しているのが現状 だ。IFRS の本質とは何か。そして 企業はIFRS をきっかけに、誰に、 どのような教育を施していけばよい のか。会計の専門家である研修講師 陣に語り合っていただいた。(本文 中敬称略)

独自性を高め、
価値創造を実践する経営とは

社団法人日本能率協会 経営研究所 日本能率協会(JMA)では、日本企業の経営課題に関する調査を 1979年から継続して行っている。 2010年度は全国の主要企業4000社(有効回答632社)を対象に実施。 今回は、他社との差別化ができている「高独自性企業」ほど 売上げ拡大に成功していることに着目し、 そのマネジメント手法を「低独自性企業」と比較して分析した。

大谷由里子の「スペシャル・イベント」in東京! レポート
“好き”と“笑い”から生まれる
ココロの元気が人を動かす

研修会社・志縁塾の代表取締役プロデューサーとして、年に300を超える 講演・研修を行う大谷由里子氏。2010年11月15日には、 その講演活動15周年を記念して、「大谷由里子と愉快な仲間達」と題したイベントが開催された。 モチベーション向上、組織活性を自身のテーマの1つとする大谷氏の、 笑いに満ちた講演には、「人を動かす対話」のヒントが多く見られた。

~他流試合による~
気づいて、成長する!
管理者研修プログラム

多くの日本企業が重要課題としてあげている、管理者教育。 株式会社日本能率協会マネジメントセンター(以下、JMAM)では、 こうした声に応えるため、集合研修『気づいて成長する管理者コー ス』(以下、MBI)を開発。特に公開型は、異業種間における管理 者同士の交流から新しい気づきが得られて、好評を博している。そ こで今回、公開型に参加した5名に、MBI で得たものについて語 っていただいた。(以下、本文中敬称略)

~マネジャーを育て、現場での実行力を高める「対話の場」~
成果が出る職場をつくる 
現場の「やり抜く力」

経営改革の成否を分けるのは、改革を実行する現場の「やり抜く力」である。 だが現在、多くの会社で「やり抜く力」が低下している。 どうしたら「やり抜く力」を回復することができるのか̶̶ 本稿では「対話の場」に着目し、その有効性を紹介する。

目標は“本当に役立つ人事”
人 事は黒子に徹する仕掛け人

国内最大規模の飲食店情報のポータルサイトを運営するぐるなび。ぐるなびサイ ト誕生から14 年を迎えた昨年、同社は社員数1200 名を超えた。新たなステー ジに入った今もなお、常に新しいことに挑戦し続ける同社の人事部門を訪ねた。