月刊誌『人材教育』2012年01月号

HRDトレンドキーワードを1年ぶりに復活させました。
2011年日本は大きく変わりました。3月11日の 東日本大震災と、それに続く原発事故は、 物理的な問題だけでなく、価値観を揺さぶるような 大きな問いを個人にも企業にも投げかけています。 ここで改めて、2011を振り返り、世界と自らを広い視野で 捉え直すことが必要なのではないでしょうか。
2012年、日本企業の人材育成・人材開発は、何を考え、 何に注力すべきなのか――1月号ではグローバル化を見据えて、 韓国ソウル大学の金顕哲氏、中国で最も有名な日本人と 称される加藤嘉一氏をはじめ8人の識者が登壇。 世界の潮流を理解するための8つのテーマで論じていただきました。

巻頭インタビュー 私の人材教育論
トップダウンは嫌い。「自らやる」組織こそ一丸となって夢を追える

リーマンショックの痛手を乗り越え、見事にV字回復を果たしたTOTO。中国での売上などが急伸し、快進撃を続けている。強さの源泉は、同グループ独自の「文化」と「自律型人財」、と言い切る張本邦雄社長。「自分の言葉で、行動で、自ら革新を巻き起こす集団を創る」と話す、その決意と展望を聞いた。

韓国企業から学ぶグローバル化に備える危機感

米国やヨーロッパを始めとして世界的な不況が続く中、韓国企業が成長している。かつて韓国企業は日本企業をベンチマークとしてきたが、IMF経済危機を契機に、グローバルスタンダードの経営戦略に切り替え、世界的な競争力を持つに至った。韓国企業の強さの源泉はどこにあるのか。そして、今後日本がグローバル化を推し進めるにあたって、韓国から何を学ぶべきなのか。ソウル大学国際大学院教授の金顕哲氏に聞いた。

2012年も不安定な社会情勢続く中国進出に必要な寛容と割り切り

中国に進出した日本企業が、反日デモで槍玉にあげられ、労働者ストライキで真っ先に攻められる――。 これが日本人が抱く中国のイメージかもしれない。だが、そうした風景は、広大な中国における一面に過ぎない。 日本企業が中国の人々と信頼関係を築き、円滑な企業活動を行うためには、 偏見やマイナスの印象を取り払って正面から中国と向き合い、理解を深めることが不可欠だ。 本稿では、中国で「加藤現象」との言葉が使われるほど、今や「中国で最も有名な日本人」と称され、 8年にわたり内側から中国を見つめてきた加藤嘉一氏に、 中国とはどのような国なのか、日本企業は中国でビジネス展開するうえで何を覚悟すべきなのか、 そして2012年、中国はどこに向かうのかを聞いた。

イノベーション人材なくして日本の復興はない

昨今、「イノベーション」という言葉をよく耳にする。だが、その本質を理解している人は少ない。イノベーションとは突飛な発明品ではなく、実際に世の中に変化をもたらすリアルな革命である。その芽を個人のアイデアで終わらせず、形になるまでの道筋をつくるにはマネジメントが必要である。イノベーションの本質と、それを支えるマネジメント、そしてイノベーションを起こせる人材に必要なもの――それらを、アメリカズカップやグリーンニューディール沖縄、東北復興と大プロジェクトをマネジメントしてきた宮田教授に聞く。

グローバルで勝てる組織をつくるダイバシティ・マネジメント

女性活用推進、外国人の積極登用、障害者雇用率の向上などが目的とされがちな「ダイバシティ」。しかし、真の目的は「変化の激しい時代に対応できる柔軟な組織づくり」である。そのためには、見た目ではわからない、ものの見方、考え方などの「深層の多様性」の確保が重要であると谷口教授は説明する。その重要性と、どうしたらそれを獲得できるのかという方法を紹介する。

ソーシャルラーニングで個の力を組織の力に

タブレット端末やスマートフォンの台頭・普及、新しいソーシャルメディアの登場により、企業や学校での“学び”の形が変わろうとしている。“学び”のデジタル化(=モバイルラーニング/ソーシャルラーニング)は現在どのような状況にあるのだろうか。さらに今後、企業においてはどのような活用法や展開が考えられるのだろうか。デジタルコンテンツの普及促進や教育のIT化などにかかわってきた慶應義塾大学 メディアデザイン研究科教授 中村伊知哉氏に聞いた。

仕事で磨いた技術を社会に還元プロボノで実現した社員の成長

社員のプロフェッショナルスキルを活用した社会貢献活動、「プロボノ」。日本企業で初めて、それを組織的に導入したNEC。同社では2010年からプロボノを取り入れ、複数の社会起業家を支援してきた。金銭的援助ではなく、仕事を通して培ってきた社員のスキルやノウハウを社会起業家に提供することは、人材育成の面でどのようなメリットをもたらすものなのか。同社の事例を通じてみていく。

東北の希望の星になる!心を合わせサッカーで勝つ東北の希望の星になる!心を合わせサッカーで勝つ

震災から立ち直ろうとする人々にとっての希望の光になろうと闘い続けてきたベガルタ仙台。再開幕したJリーグでは不屈の姿勢を貫き、昨年の14位から4位(2011年11月末現在)へと大躍進を遂げた。その原動力は、地域のおかげ、皆のおかげで自分たちはいるという意識。「 選手の意識を変え、周りを巻き込んでビッグクラブをめざす」と手倉森監督は語る。

高品質の教育コンテンツを活用し“高い見識”を持つ幹部社員を育成

富士通本体及び富士通グループの多くの企業では、幹部社員の昇格要件としてビジネス・ブレークスルー(以下、BBT)が提供する遠隔教育学習プログラム『CLUBBBT』の受講を義務付けている。『CLUBBBT』とは、富士通グループ用にカスタマイズされた遠隔教育プログラムだ。実際に『CLUBBBT』をどのように活用し、どのような人材を育もうとしているのか。富士通グループの人材育成機関であるFUJITSU ユニバーシティ(以下、FJU)の濱氏、清水氏、浅野氏に、お話を伺った。

“自分で考える”人材を育むマンガ教材『新入社員必携マナー&コミュニケーション』

どうすれば新入社員に、社会人としての基礎を教えることができるのか──こうした悩みを解決するマンガ教材が、人事担当者の注目を集めている。そこで今回、教材の開発者である東京工業大学連携教授の吉川厚氏とダイヤモンド社の間杉俊彦氏にお話を伺った。

「生産能率士」をグローバル化に対応した“生産マイスター”にリニューアル

1984 年、生産部門の人材育成のために開講された、日本能率協会マネジメントセンター(JMAM)の通信教育「生産能率士コース」。四半世紀以上にわたり多くの製造業で活用されてきた同コースが、2012年に「生産マイスターコース」にリニューアルされる。旧コースの果たしてきた役割や、リニューアルの目的、新コースの特徴などについて、教材の総監修及び検定準備委員会の委員長を務める日本能率協会コンサルティング(JMAC)の齋藤彰一氏と、同コースの企画・開発を担うJMAM の川村泰朗氏に聞いた。

グローバル時代の“ウェイマネジメント”

日本企業にとってグローバル化は必然である。そのカギとなるのは、“ウェイマネジメント”だ ─今回、株式会社HR インスティテュート(以下、HRI)の東 嗣了氏ラリー キヨヒロ氏に、『グローバル時代の“ウェイマネジメント”』についてお話を伺った。

JMAM 通信教育優秀企業賞 表彰企業事例報告 東和薬品

“ 人々の健康に貢献する“”こころの笑顔を大切にする”を 企業理念に掲げている東和薬品。 同社は2007年、管理職教育と自己啓発制度の 手段として通信教育を導入。 受講者数は年々増加し、2010年度には 年間受講者数が社員数を超える“全員学習”に発展した。 同社の学習の仕組みを紹介する。

JMAM通信教育優秀企業賞 表彰企業事例報告 コニシ

通信教育とアセスメントを活用して自律型人材を育成 接着剤の製造・販売および化学製品の販売を行うコニシ。ブランド名である『ボンド』は、トップブランドとして世の中に広く浸透している。 同社は2005年に通信教育とアセスメントを核とした教育体系を構築。自律型社員の育成に向けて着実に歩みを進めている同社の取り組みを紹介する。

貴重な経験の機会を提供するJMAMの管理者育成コース

人事・教育担当者の悩みに応える研修事例紹介セミナーや相談会を多数開催している日本能率協会マネジメントセンター(以下、JMAM)。2011 年11 月に行われたセミナーでは、“管理者のマネジメントレベル向上に人材開発部門としていかに関わるか”をテーマに、管理者育成の仕組みを紹介した。今回、その内容を抜粋し、JMAM で研修コンサルタントを務める恵下正純氏のお話と併せて誌面で紹介する。

新連載 グローバルビジネスに役立つ教養の本棚 第1回
グローバル人材育成に必要な最後のピース

グローバル人材には、“教養”が必要らしい、アメリカのエリートは教養が豊からしい―― まことしやかにささやかれる、教養の必要性。だが、それは本当だろうか? これまで漠然としか語られてこなかった教養の意義と学び方について迫る。

連載 酒井穣のちょっぴり経営学 第12回
イノベーションを守る特許について知ろう

前回は、持続的な企業経営を考えるうえで重要な「イノベーション」を取り上げた。画期的(破壊的)なイノベーションがなぜ発生しにくいのかについて学んだ。今回は、そうした企業の智慧を守るための「知的財産権」のうち、「特許」について取り上げる。特許マインドを醸成することが、現代の企業にとって非常に重要なことであるからだ。

TOPIC NPOカタリバ × 内田洋行教育総合研究所 
教育グッドプラクティスセミナーレポート
中原淳氏、酒井穣氏が今、語る「 学びの風景2020」

去る、2011年11月5日、『学びの風景2020』と題したセミナーが 内田洋行 ユビキタス協創広場CANVAS(東京都・中央区新川)にて開催された。 同セミナーは、特定非営利活動法人NPOカタリバと内田洋行教育総合研究所が主催するもの。 講師には中原 淳 氏と酒井 穣 氏が招かれ、「2020年の学びの風景」を大いに語り合った。 二氏、そして参加者が描く未来の学びの風景とはどのようなものだったのだろうか。

連載 人材教育最前線 プロフェッショナル編
“ 仕事も研修も面白く”
情熱が人材を進化させる

1884年に創立された三菱重工業。同社が取り扱う製品は、宇宙ロケットから発電設備、船舶、産業機器、家庭用エアコンなどと幅広く、合計700品目にも及ぶ。世界規模で事業を展開する三菱重工業では、社員のグローバル対応力強化のためにグローバル人材育成体系を整備し、2011年度から新たな育成施策を開始した。教育・研修プログラムをこれまで以上に充実させる取り組みを推進したのが、人事部次長の原田庸一郎氏。自身も同社の米国法人である米国三菱重工に法務担当として4年半赴任した経験を持つ。原田氏の人材育成に対する想いを伺った。

イノベーションが人材を創る

過去の成功にとらわれてしまい、企業として新たな価値を創出する人材を育成できないという悩みを抱える企業は多い。 こうした現象は、洋の東西を問わず、事業が成熟している企業に見られるものだ。 一見イノベーションを生むのは人と思いがちだが、イノベーションこそがイノベーション人材を創ると著者らはいう。 その理由とは何か、どうすればイノベーション人材を創ることができるのだろうか。

連載 インストラクショナルデザイナーがゆく 第56回
行く年も来る年も日本は魅力的

都内のデートスポットのクリスマスツリーに、省エネLEDランプがキラキラ輝き始めた頃、ブライアンの送別会が開かれた。 彼は、私の英文原稿のネイティブチェックなどをしてくれた米国人で、この暮れに、20年近く住み慣れた東京を離れ、思い切って故郷ミズーリ州カンザスシティに帰ることになったのだ。 2012年を迎えるにあたり、2011年を振り返ってみると、「この際、思い切って……」と、日本を離れる決心をした外国の友人たちのことを、寂しく思い出す。『帰宅難民』の群れに飲み込まれた3.11を境に、今まで当然のように享受していたインフラ、システム、ネットワークは、あっという間に『メルトダウン』、安心しきって胡坐をかいていた『安全神話』も想定外の脆さだった。 ある友人は、震災直後に、母国からの帰国命令に従って日本を去った。またある友人は、踏みとどまってはいるものの、放射能汚染への不安は隠せない。 そしてこの度、長年のビジネスパートナーも帰国することになって、「ブライアン、お前もか!」の心境である。 「やっと、横浜から155個の荷物を送ったぞぉ~」と大げさに友人たちと乾杯するブライアンに、思い切って聞いてみた。「今の日本って、魅力ない?」

連載 人事の職場拝見! Vol.12
ラクーン
ベンチャー企業ならではの成長を見据えて“これまで+α”の組織風土を育てる

全国のメーカーと小売店の取引を促進するBtoB サイトを始めとした各種サービスを提供するラクーン。画期的なビジネスを生み出し発展する若い企業において、人事は組織の風土をつくり上げるという重責を担う。同社の管理部総務人事チームに、人材育成にかける思いを聞いた。