月刊誌『人材教育』2012年02月号

仕事のスピード化、経営環境の変化もはなはだしい昨今、 働く人々を取り囲むストレス要因も多様化。 いつ、誰がメンタル不調に陥っても不思議ではない環境に、 日本の職場はなりつつあります。 若手を中心に「現代型うつ」という、新しいうつ病が 増えているともいわれています。 また、数値的に明らかにされるのは少し先のようですが、 なぜ働くのか、何をして貢献するのかという本質的問いを 投げかけた大震災の、働く人への心的影響も小さそうにありません。
こうした状況下、会社ぐるみで「メンタルヘルス対策」=明るい職場づくり をしていくためにはどういう視点や施策が必要なのか。 本当に社員が救われ、企業の生産性も向上する方法を考察します。

巻頭インタビュー 私の人材教育論
判断の軸を持つ個人と組織こそが変化に対応できる

普段の生活で我々が見る地図は、もはや紙媒体を通してではなく、カーナビやスマートフォンといったデジタル媒体のものがほとんどではないだろうか。このことは、地図業界を巡る変化の激しさを意味している。この激しいビジネス環境の変化に対応するために、髙山善司社長が社長就任の翌2009年に発表した長期経営構想が「ZENRIN GROWTH PLAN 2013」。そこに託されたのは、地図の制作会社から、「知・時空間情報」の総合プロバイダーへと転身するために、組織をどうまとめ、個々のモチベーションを高めていくのか――。5年、10年先を見据えた戦略と人づくりを聞いた。

ーー JMAM 通信教育 活用事例 vol.1 ーー
ビジネス道はじめの一歩

通信教育を活用して、初めての社会人学習経験をサポートしよう! 内定者通信教育は社会人学習の「はじめの一歩」です。 この時期に仕事の基本をしっかりと身につけ、学習を習慣化する。この2つのチカラがビジネス道を歩み続けるためには不可欠です。通信教育を活用し、一人前をめざして歩みをはじめる内定者・新入社員を積極的にサポートしているお客様事例をご紹介します。

特集 高ストレス時代を生き抜く
ポジティブ・メンタルヘルスケア

仕事のスピード化はとどまるところを知らず、経営環境の変化もはなはだしい。働く人々を取り囲むストレス要因も多様化し、いつ、誰がメンタル不調に陥っても不思議ではない環境に、日本の職場はある。若手を中心に「現代型うつ」という、新しいうつ病が増えているともいわれている。こうした状況下で必要なのは、メンタルヘルスケアを単にそれ個別の取り組みとしてではなく、職場風土づくりと捉えて多角的な取り組みを行っていくことだ。会社ぐるみで「メンタルヘルス対策」=明るい職場づくりをしていくためには何が必要なのか。本当に社員が救われ、企業も生産性を向上する対策を考察する。

Opinion①
人と組織がイキイキする「 ポジティブ・メンタルヘルスケア」

企業におけるメンタルヘルスケアは、これまで基本的に経営と切り離された形で行われてきた。しかし、組織としての総力をより高めていくには、不調への対処・予防だけでは十分ではない。その時に鍵となるのが、働く一人ひとりのワーク・エンゲイジメントを高めることである。今後ますます重視されるメンタルヘルスケアのあり方について、多くの企業でメンタルヘルスケア施策にかかわり、ワーク・エンゲイジメントに関して検証してきた東京大学大学院の島津明人氏が語る。

Opinion②
「 またダメだ」→「ノルマに近づいた」へ!“ 捉え方”を変える認知療法

誰もがストレスを抱える現代社会。しかしその中でも、うつになる人とならない人がいるのはなぜか。その違いは、物事をどう捉えるか=認知の問題にある。認知療法・認知行動療法の専門家である東京家政大学教授の福井至氏が、ストレスが高い環境下でもメンタルヘルス不調に陥らない「 物事の捉え方」を身につける方法を解説する。

Column
うつ病は「宇宙カゼ」?面白がりつつ、前向きに―『ツレうつ。』から学ぶ、うつと前向きに付き合うコツ―

ある日、身近な人がうつ病になったらどうするか――漫画『ツレがうつになりまして。』の作者、細川貂々氏が取った行動は、気持ちを前向きに切り替え、“面白がる”ことだった。職場や家庭でメンタル不調者が出た時によく聞かれるのは、本人に対して周囲がどう接したらよいか戸惑ってしまうということ。そこで、細川貂々氏と“ツレ”こと望月昭氏の経験から、周囲と本人がうつにうまく付き合うコツを紹介する。

企業事例①アシックス
ココロとカラダの健康を守る人事‐保健スタッフの強力タッグ

スポーツシューズ、スポーツウェアなどのブランドで世界的に知られるアシックス。「健全な身体に健全な精神があれかし-“Anima Sana In Corpore Sano”」を創業哲学とする同社では、人事総務部と健康推進室が綿密に連携を取りながら、メンタルヘルス対策に積極的に取り組んでいる。全社員への面談から、スポーツ用品メーカーらしいウォークラリーまで、同社のメンタルヘルス対策を紹介する。

企業事例②NTTデータ
一層の予防活動へシフト。心身の健康状態を前のめりにキャッチ

心の健康状態は見えにくく、組織のアプローチは概して治療が必要になってからのリアクションになりやすい。そんなメンタルヘルスケアにおいて、治療までには至らない(境界領域)社員を積極的にすくい上げようとしているのが、大手システムインテグレータのNTTデータだ。受け身ではなく前のめりに危険信号を捉える予防策は、いかにして構築されているのか。具体的な施策を聞いた。

企業事例③マツダ
人づくり・職場づくりから始まる新時代のメンタルヘルスケア

2万人を超える社員を擁するマツダ。同社では、40年以上の長きにわたり、社員の心身の健康についての取り組みを積極的に行ってきた。誰もがメンタル不調に陥る可能性がある時代では、人づくり、職場づくりからメンタルヘルスケアに取り組む必要があると話すのは、同社健康推進センターの菖蒲田 裕子氏だ。氏によれば、マツダ流ポジティブ・メンタルヘルスケアは、人づくりと密接なかかわりを持つものである。そのココロとは。

人材開発担当者5名が実践する自分と現場を元気にする方法

日々、現場の社員の育成やモチベーション向上のために取り組む人事・人材開発担当者たち。しかし、もちろんそんな本人たちも、時には悩み、モチベーションが下がることもある。では、彼・彼女らはどのように自らの心の変化に向き合っているのだろうか。また、現在「ポジティブ・メンタルヘルスケア」のために各社で取り組んでいることとは。現場を支援する彼・彼女らの生の声を聞いた。

職場ぐるみのメンタルヘルス対策教材が完成!!

ビジネスパーソンのメンタル不調の問題が深刻化する中で、2011 年12 月、厚生労働省は労働安全衛生法の改正案を国会に提出した。今後、企業は社員の精神的健康状況の確認が必須になるとみられ、職場ぐるみのメンタルヘルス対策が重要になる。そこで今回、企業のメンタルヘルス対策について、東京メンタルヘルス所長の武藤清栄氏と、日本能率協会マネジメントセンター(以下JMAM)の宇山りみ子氏・岩崎淳氏に、お話を伺った。

通信教育Column
メンタルヘルス対策は人づくり・組織づくり

企業にとってメンタルヘルス対策とは、社員一人ひとりの心の健康を守ることはもちろん、もっと積極的な「人づくり・組織づくり」に関わる重要なテーマです。対策を施しても効果が上がらないという声も少なくないようですが、では実際にどうすればよいのか、考えていきましょう。

e-ラーニングで学ぶ企業人事・労務担当者向けメンタルヘルス対策支援プログラム

セルフケア、ラインケアの観点から、社員やマネジャー向けのメンタルヘルス対策の教材は、これまでにもあった。しかし、社内のメンタルヘルス対策の中心となる人事担当者、労務担当者がメンタルヘルス対策を学ぶ教材は、ほとんどなかったといってよい。今回、企業の人事・労務担当者向けにメンタルヘルス対策支援のe- ラーニングを開発した産業医科大学の森晃爾氏と柴田喜幸氏に、企業のメンタルヘルス問題と最新の状況ついてお話を伺った。

適性テスト「V-CAT」を活用し個々の持ち味に応じたメンタルヘルス管理を

社員のメンタルヘルス管理への関心が高まる中、有効なツールとして注目されるのが、日本能率協会マネジメントセンター(JMAM)が提供する適性テスト「V-CAT」(Vitalization& Character Analysis Test:特性・活力測定)だ。採用の場面で、ストレス耐性の高い人材の選考のために、多くの企業で導入されているが、入社後の社員のメンタルヘルス管理にも活用することができる。

TOPIC① 
シンポジウム『強いリーダーの輩出を目指して』レポート今、日本に求められる“ 強いリーダー”をいかに育てるか

2011年10月27日東京大学武田ホールで、一般社団法人強いリーダー育成研究会の設立を記念して、シンポジウム『強いリーダーの輩出を目指して』が開かれ、約200名が集まった。登壇者3名はいずれも、3.11後の日本に強い危機感を抱き、リーダーの要件、そしてどのようにリーダーを育てていくべきかを三者三様の視点から語った。

連載 中原 淳の学びは現場にあり! 第13回
オープンキッチンが“学び”の舞台に 若い料理人が育つ日本料理店
日本料理店「六雁」

銀座の「六雁」は連日満席が続く人気の日本料理店。旬の野菜を名物とした独創的な日本料理のコースは一品一品が目にも鮮やかで、まるでアートのよう。若い料理人たちが、きびきびと立ち働く姿が印象的なこの店のコンセプトは「人材育成」。人が育つ日本料理店の秘密に迫ります。

連載 酒井穣のちょっぴり経営学 第13回
人的資源管理①人事制度とは何か

前回は、企業のイノベーションを守る知的財産権の中の1つ、「特許」について述べた。今回からは、「人的資源管理」を取り上げる。読者にとっては釈迦に説法になってしまうが、人的資源管理はMBA、経営学においても重要なポイントであるため、改めて取り上げておきたい。中でも今回は「人事制度」についてである。

グローバルビジネスに役立つ教養の本棚 第2回
教養の役立ち方、徹底検証

教養はビジネスにどう役立つか?――深掘りすると2つ見えてくる。1つは、グローバルビジネス推進のために必要な異文化理解。もう1つは、自分を確立し、柔軟で知性的な行動をとれるようになることである。

連載 人材教育最前線 プロフェッショナル編
想定外のところに“ 本当の成長”が待っている

10年後の三菱地所グループの理想型、強固なバリューチェーンに裏打ちされた投資開発事業におけるNo.1企業をめざし、中期経営計画「BREAKTHROUGH 2020」を策定した三菱地所。事業戦略実現に向けて、全社的なグローバル化の推進、環境への積極的な取り組み、経営インフラの強化、そして人材育成や活力のある職場づくりに取り組んでいる。そうした同社の人づくりを担うのが人事部副長の後藤泰隆氏だ。都市の未来を創造する組織をつくるために人事部の果たすべき役割は少なくないと話す後藤泰隆氏に、人材育成について伺った。

TOPIC② 
社会変化に対応した人と組織を創る「 能力開花―KAIKA―」プロジェクト

個人の生き方や価値観が多様化し、社会に求められる豊かさも一様ではなくなった。それゆえに、変化に富む社会に対応し、豊かさに貢献できる企業こそが、将来の市場競争において優位に立つことができるといえる。そこで社団法人日本能率協会(JMA)は、「能力開発優秀企業賞」の概念を発展させ、「個」の成長と「組織」の活性化、「社会」への貢献をスパイラルアップさせる「能力開花―KAIKA―」を提唱。賞も「能力開花大賞」へとリニューアルした。その概要と期待される効果を紹介する。

論壇
4つの「場」アプローチで実現する社員が“動機づく”職場

組織を変えるには、そこで活動する人々の意識に働きかけ、動機づける「場」をつくり出すことが不可欠だ。組織のために、仲間のために貢献する自発的行動の動機を、いかに育てていくか。「場のマネジメント」を4つの側面から整理することが、“意識改革”から“組織改革”を実現する第一歩となる。

連載 インストラクショナルデザイナーがゆく 第57回
あんじょう頼めるリーダーは世界を維新する

去年の暮れから、ちょいちょい大阪に出かけるようになった。クライアント企業の人材育成システム・チームの本拠地が、東京本社から、国内最大プラントのある大阪に引っ越したからなのだが、これがまいど美味しいもんと、おもろい話で充実した「めっちゃ刺激的な」出張なのである。 通い始めたのが、ちょうど知事選・市長選のダブル選挙戦がスタートした時期ということもあって、街には「何かが変わるかも」という熱気が溢れていた。その熱さのせいか、最初は、エスカレーターの左側にぼぉっと突っ立ってヒンシュクを買っていた浪花初心者も、あっという間にノリノリの浪速のおばちゃんモードに染まってしまったのである。

連載 人事の職場拝見! Vol.13
企業理念を伝承し体現する 価値を創造する人材を育成

「効きめを創り、効きめで奉仕」という理念のもと、1950 年の創業以来、独創的な医薬品の開発に努力を重ねてきた全薬工業。創業者の理念を大切にして事業を展開してきた同社では、人材育成においても理念を重視して人づくりを行ってきた。同社の人づくりを支えている理念とは何か。同社の総務人事部を訪ねた。