月刊誌『人材教育』2012年03月号

近年、ビジネス環境の激変や顧客ニーズの多様化などにより、 業種業態に関係なく営業スタイルの変化が余儀なくされ、 様々な手法が生まれている。さらに景気低迷ということもあり、 営業再強化に各社が力を入れている。
しかしそれらの教育は、顧客との信頼関係構築や、顧客視点の 深耕といった、昔から変わらない営業活動の原理原則をついたものに なっているだろうか。スキルだけを伸張しようとする、 本末転倒の教育になっていないだろうか。
たしかに営業は日々進化している。進化を取り入れることも重要だ。 だが、その一方で、土台ともいえる変わらない原理原則もある。 その両方が調和してこそ、本当に効果が上がる営業活動、 営業教育といえるのではないか。
今回の特集では、新しい営業教育のスキル面だけでなく、 各社がそれを導入する際にベースとした考え方、原理原則を掘り下げ、 営業人材育成のコツを示唆する。

巻頭インタビュー
私の人材教育論YKK 代表取締役社長猿丸雅之
世界を舞台にやり抜く人材を育てる現場体験と言葉の力

小さな部材、ファスナーで世界シェア45%(金額ベース)を誇るYKKは「小さな巨人」といえるかもしれない。約70の国と地域にまたがる拠点へ、入社早々の若手たちが自ら志願し、果敢に飛び出していくという同社。そんな同社のグローバル人材の育成はどのような方針に基づいているのだろうか。

ーー JMAM 通信教育 活用事例 vol.2ーー
ビジネス道はじめの一歩

通信教育を活用して、初めての社会人学習経験をサポートしよう! 内定者通信教育は社会人学習の「はじめの一歩」です。 この時期に仕事の基本をしっかりと身につけ、学習を習慣化する。この2つのチカラがビジネス道を歩み続けるためには不可欠です。通信教育を活用し、一人前をめざして歩みはじめる内定者・新入社員を積極的にサポートしているお客様事例をご紹介します。

原理原則に立ち返るこう育てる!
営業人材

商品やサービスが売れない時代、企業にとって売り上げ拡大は急務であり、自社の営業には1人でも多く、“売れる”人材となってほしいところである。 1990年代から始まった営業改革、問題解決型営業への転換など、強い営業人材を育てるために企業や教育部門はさまざまに取り組んできた。 こうして新しい手法が次々と登場したが、大事なのは土台である。 そう、土台が欠けた家はまっすぐ建つことすらできない―― 本特集では営業人材育成のための原理原則を探る。

Opinion①
営業プロセス管理とは“ 考える”営業を育てること

ITを駆使し、データベースを構築し、営業プロセス管理を導入する企業は多い。そうして指標を集めることも重要だが、大事なことは、集めた指標をもとに考えを深めていくことである。営業プロセス管理とは、ITを駆使してデータを集めることではない。コミュニケーションをとり、考えることを目的にしているのだ。

Opinion②
「 挑戦し、振り返り、楽しみながら」経験から学び、成長する方法

市場環境の変化、顧客ニーズの多様化などに伴い、営業担当者の仕事は高度化している。その中で、営業人材はどのように学び、成長することができるのか。これまで各業界の営業人材の「熟達化」について研究してきた神戸大学大学院の松尾睦氏に、営業人材の成長の道筋と、それを支援する方法について聞いた。

Opinion Column
思い+チームワーク+スキルで信頼関係を築く提案営業

国内のビール類市場が成熟期を迎える中、営業の方法も日々進化が求められる。その中でビール系飲料の課税出荷数量の国内シェアトップを誇るアサヒビール。同社ではどのようにして日々の営業活動を行っているのか。外食営業部門の部長を務める倉地俊典氏に、営業の現場におけるノウハウ、マネジャーの育成支援について話を聞いた。

企業事例①
日本アイ・ビー・エム
緻密な教育と徹底的なロールプレイングで営業力強化

優秀な営業担当を輩出する企業として名高い日本アイ・ビー・エム。同社では、営業職として必要な能力をグローバル基準で定め、全世界共通のプログラムを実施している。厳しい試験にパスしなければ、営業職になれないという同社。ロールプレイングを用いながら階層別に求める能力を細分化し、営業職の専門能力を高め続ける。そうした同社の営業人材育成方法を紹介する。

企業事例②
ノバルティス ファーマ
人事・マーケ・営業の三位一体で実践能力のあるMRを育てる

革新的な新薬で人々のいのちと健康に貢献するノバルティス ファーマ。同社では、育成・評価・選抜の仕組みを持ち、体系的にMRを育成している。その一方で、営業所長のOJT を重視し、MR へのコーチングを通じて所長の育成を支えるなど組織的にサポートしている。緻密に構築された同社のMR 育成について紹介する。

企業事例③
富士ゼロックス
“コラボ文化”で本質を追究し全員営業を実現する

問題解決型の営業に力を注ぐ企業は多いが、富士ゼロックスの特徴は、その重要性を全社で理解し、支えていることだ。問題解決の視点で物事を捉えることが習慣化されている同社では、日常、社内の各部署で導き出された問題解決ノウハウを顧客に惜しみなく提供する独特の風土を持っている。営業担当者は会社の代表者。代表者を通じてお客様にお役立ちすることが全社員の役割であるとの認識が根づく、富士ゼロックス流の問題解決型営業を紹介する。

覆面座談会 営業担当者のホンネ
個人の特性を組織の強みに今育てるべきは“組織営業力”

モノが売れにくい時代になり、営業スタイルも、個人の力量に頼るものから組織力を活かしたものに変わった。仕事が高度化する中で、日々営業の現場で働く若手と管理職は、何を考えているのか。求められる営業教育など、営業担当者が本音を語る。

『仮説提案型営業』をチームで身に付け組織力向上と業績アップを実現する

とにかく足繁く通い、気合と根性で営業する──そうした旧来型の営業が、ビジネス環境が激変しているにも関わらず、いまだに行われているようだ。顧客の求めるソリューションを提供し、本当に成果を上げることができる営業とはどのようなものか? 今回、株式会社HRインスティテュート(以下、HRI)の中野俊宏氏に、お話を伺った。

本当に業績に貢献できる営業人材をどのようにして育成すべきか

顧客ニーズの多様化、景気の低迷、グローバルでの競争激化など様々な要因から、多くの企業が改めて営業力の強化に取り組んでいる。しかし、営業教育の見直しを行ったものの、成果に結びついていないという企業も少なくないようだ。営業の要諦をついた営業教育とは、成果に結びつく営業教育とはどのようなものか。株式会社日本能率協会マネジメントセンター(以下JMAM)の北龍賢氏、渡邊則彦氏にお話を伺った。

連載 酒井穣のちょっぴり経営学 第14回
人的資源管理②グローバル人事の基本

企業のみならず、国家レベルでの英語教育が問題視されている日本において、特に難しい問題――「グローバル」。しかし、よく考えてみれば人類史上、このグローバル化の流れが逆流したことはない。もはや避けることができないグローバル人事・人材育成について、その筋道をシンプルに考える。

連載 グローバルビジネスに役立つ教養の本棚 第3回
ビジネスへの洞察力を高める「宗教」学習

自分は無宗教、宗教は関係ない――そう思っている人も多いだろう。だが、宗教が持つ暗黙の影響力から逃れられる人はいない。だからこそ、宗教を理解することが、ビジネスでも生きてくるのである。

連載 人材教育最前線 プロフェッショナル編
経験と努力がもたらす“ 胆力”と“自信”

2004年4月、ともに100年の歴史を持つニチメンと日商岩井の合併によって誕生した双日。「New way, Newvalue」のスローガンのもと、国内外を問わず多彩なビジネスを展開している。同社の人事総務部人材育成課長の池本健一氏は、2003年から人事総務部に在籍し、人事制度や研修体系といった会社の基盤整備に携わってきた。多岐にわたる分野でグローバルに事業を展開している総合商社。だからこそ、全社員が一体感を持って同じ目的に向かうための基盤を構築することが重要だと池本氏は語る。「双日らしさ」を醸成するための人材育成の取り組みを伺った。

論壇
自律自走型組織を創造する革新プロデュースのすすめ

より高みをめざして自社は変わる必要がある、と感じている企業や組織のトップ層は多い。しかし、実際に変わるのは難しい。さまざまな手を打ち、一時は盛り上がっても一過性に終わってしまったり、抵抗を受けたりする。その原因は多くの場合、現場の管理者のマネジメントスタイルにメスを入れていないから。“自律自走型組織”を実現するためのマネジメントのあり方・考え方と、変革の仕方のポイントを抽出した。

合併に伴う1万人超企業の人事システム統合を短期間で実現
―「人事総合ソリューション」自社活用事例

激変する経営環境の下で、企業のM&A や制度改革が頻度を増し、人事システムの構築や見直しにも迅速性が求められている。その好例が、2010 年10 月、日立ソフトウェアエンジニアリング(日立ソフト)と日立システムアンドサービス(日立システム)の合併により誕生した日立ソリューションズの人事システム統合である。合併以前はそれぞれ異なる人事制度・システムを運用していたが、自社の「人事総合ソリューション」に一本化することにより、わずか3カ月で人事基幹システムの統合を実現した。なぜ、これほど短期間で、1万人超企業のシステム統合を実現できたのだろうか。

連載 人事の職場拝見! Vol.14
ハブ
強い店長を育てることで笑顔と感動を生む現場を支える

「英国PUB 文化を日本において広く普及させるため、英国風PUB を通じてお客様に感動を与える感動文化創造事業を展開する」を経営理念とし、「HUB」や「82」などの店舗を展開するハブでは、強い店長の育成によって着実に成長を遂げている。同社の総務人事部に話を聞いた。