月刊誌『人材教育』2012年05月号

日本企業を覆う閉塞感――これを打破する革新と創造(イノベーション)が今、 日本企業に求められています。ですが、これらは活力ある組織からしか生まれません。
活力ある組織とは、社員が活き活きと働ける組織でもあります。
そのためには、人を活かせる仕組みをハード面から整えつつ、 社員が素の自分になって本来持っている能力を発揮できるよう ポジティブなコミュニケーションをとっていくことが必要です。
組織をまるごと元気にしていくために、何をしなければならないのか、 そして、その担い手は誰なのか。
さまざまな切り口から、成功する組織活性化のカギをご紹介します。

巻頭インタビュー 私の人材教育論
Yourself last――
自分のことを最後にする経営人材が人を動かす

塗料業界最大手の関西ペイントは、現在、3000億円規模の売上高を将来、1兆円に拡大すると宣言した。その実現には、現在、連結売上高の半分程度である海外売上高を9割を占めるまでに拡大する必要がある。壮大な目標を達成するためには、どんな人材が求められ、どう個人と組織の能力を高めていく必要があるのか。グローバル時代の人材戦略を河盛裕三社長に聞いた。

ーー JMAM 通信教育 活用事例 vol.4 ーー
ビジネス道次の一歩

通信教育を活用して、配属後の実践&定着化をサポートしよう! 内定~入社時研修で学習した内容も、配属後に職場で実践し、定着化しなければ、いつの間にか忘れてしまいます。配属後も正しい基本を意識して実践し、迷ったら再度基本に立ち戻る。これが新人の成長にとって欠かせない“次の一歩”となります。通信教育を活用し、配属後の基本教育を積極的にサポートしているお客様事例をご紹介します。

特集
日本企業の強みを取り戻す組織活性化で会社を元気に

グローバルでの激しい環境変化の中、組織はその力を真に活かさなければ、勝ち残ることができない。どうしたら、真に組織の力を引き出し活き活きとした組織をつくることができるのか。経営理念を踏まえた組織文化、風通しのいいコミュニケーション、挑戦を後押しするポジティブな風土、それらを支える仕組みや制度など、求められることは多岐にわたる。本特集では、新しい手法も取り入れながら、活き活きとする組織をつくるためのカギを紹介する。

Opinion 1
ヨコのつながり×戦略的トップダウンのハイブリッド型組織で組織能力を高める

インターネットの台頭という大きな外部環境の変化によって、企業を取り巻く経営環境はより一層厳しさを増した。しかし一方で、伝統的な日本企業はそれに十分に対応できていない。それは、対応できるだけの組織能力を持っていないからだ。そして、組織活性化とは、この組織能力を高めることである。日本企業における組織活性化の重要性とその方法について、慶應義塾大学ビジネス・スクールの高木晴夫教授に聞いた。

Opinion 2
学習のあり方を問い直し、組織を活性化する

企業が誇っていた強みが、いつの間にか、弱みへと姿を変える――その原因は、学習プロセスの硬直化である。 特に環境変化が激しい現在において、その変化に柔軟に対応できなければ、優位性を獲得した企業もそれを喪失することになる。企業が優位性を維持するためには、変化し続ける能力を構築して組織を活性化した状態にすることが重要になる。

新潮流コラム 1 ポジティブ心理学
人とのポジティブなかかわりが組織の活力、個人の幸福感を増す

社員同士の人間関係を良好にするために、企業はどれほどの投資をしているだろうか?人間関係が良いにこしたことはないが、売り上げのほうが重要だ――そう考える経営者も多いかもしれない。だが、ハイクオリティ・コネクション(良質なつながり)がある職場のほうが、活力や幸福感が増すことが実証されている。

新潮流コラム 2 U理論
「出現する未来」から学ぶU理論で組織を変える

今、企業に組織活性化が求められる理由は何か?『 U理論』の翻訳で知られる中土井僚氏は、誰も解がわからない時代、幅広くステークホルダーを巻き込みながら、対話をしていくことが重要だと語る。みんなが自身の心の深いレベルに立って対話ができた時、深い一体感が生まれ、予想だにしなかったインスピレーショナルなアイデアが生まれる。それに従って、未来へと進むことで組織がレベルアップする。

新潮流コラム 3 ドラムサークル
リズムを刻みながら個性と和を体感する

大切なことは、言葉だけではなかなか伝えられないもの。だが、ノンバーバルな表現手段なら、伝えられることもある。「 自律型人材であること」「和を重んじること」。身をもってそれらを体験できるのが“ドラムサークル”だ。米国で生まれたこのプログラムが、今、あちこちの企業でチームビルディングに用いられているという。その具体的な内容を取材してみた。

企業事例1
古田土公認会計士・税理士事務所
挨拶、朝礼、掃除の文化がつくる“日本一元気”な会計事務所

全国各地から企業が見学に訪れる会計士・税理士事務所がある。訪問者たちのお目当ては、都内に拠点を構える古田土公認会計士・税理士事務所が毎日行っている朝礼だ。同社では、30分はかかる朝礼、駅前の掃除、全員と一人ずつ挨拶を「3つの文化」として掲げることで、社員が生き生きと働き、創業以来30年間連続増収を実現している企業として知られている。3つの文化を徹底する理由、そして社員に浸透する理由などを紹介する。

企業事例2
小林製薬
“感謝の可視化”や全員参加の提案改善でイキイキ働く仕組みをつくる

「“あったらいいな”をカタチにする」のキャッチコピーで知られる小林製薬。同社は『熱さまシート』、『のどぬ~るスプレー』などの独創的な製品で、多くのファンを惹きつけている。現在、同社はコーポレートブランドを高める取り組みを進めており、それが組織の活性化と、独自の“ほめる文化”の醸成につながっている。同社の取り組みを紹介する。

企業事例3
ユニ・チャームプロダクツ
社員の距離を縮め活性化リーダーを育む「運動会」

コミュニケーション不全、組織活力の低下が深刻化してきた昨今、日本企業を中心に昔から行われてきた活性化施策、「社内運動会」を復活させる企業が増えてきた。ユニ・チャームプロダクツもその1社である。運動会の活性化の効果、そして運営上の過程や工夫とは。

チームマネジメントを確立させよ
~人材育成会議のすすめ~

人材育成はどの企業にとっても古くて新しいテーマである。近年は特に「上司と部下」の接点が少ないために部下育成ができていない職場が増えているようだ。こうした問題に対し「人の育成を諦めれば企業存続が危ぶまれる」と危機感を募らせる人材パワーアップコンサルティング代表の二宮氏に、お話を伺った。

チームで成功・失敗を疑似体験野外体験型学習プログラム『BSR』

社会人基礎力が不足気味な新入社員、リーダーシップに自信のない管理職……こんな人材同士がチームを組んで、果たして組織として競争力を発揮できるのだろうか。旭化成アミダスが提供する野外体験型学習プログラム『BSR ビジネス・シミュレーション・ラリー』(以下、『BSR』)は、新人育成、リーダー育成に適したプログラムとして注目を集めているが、その真骨頂は疑似体験を通したチームビルディングにある。そこで今回、同社の三根明彦氏に、『BSR』についてお話を伺った。

ドラッカーの教えの真髄を学ぶチャンス!
クレアモント大学院大学ドラッカー研究所開発
マネジメント研修カリキュラム
ドラッカーカリキュラム

昨年、Peter F. Drucker( 以下、ドラッカー)の教えを集大成したドラッカーカリキュラムの提供を発表し、マネジメント人材の育成に悩む組織から大きな注目を集めた株式会社日立インフォメーションアカデミー。昨年10 月から開始したドラッカーカリキュラムも3月までに全2コースが好評のうち終了した。そこで今回、同社の青山誠明氏・緒方慎八氏にお話を伺った。ドラッカー研究所所長のリック・ワルツマン氏からのコメントとあわせて紹介する。

成長への意欲を引き出し成果につなげるイコア社の手法とは?

働く人々の「本気」を1つの方向にまとめ、一人ひとりの成長を促す─そんな“個人を本気にさせる研修”で知られるイコアインキュベーション。同社が何を大切にし、企業の組織活性化やダイバーシティの浸透に対してどういったサポートをしているのか。同社の東谷紳一氏、前田知里氏に語っていただいた。

連載 酒井穣のちょっぴり経営学 第16回
オペレーション・マネジメントの基礎

効率的な業務の実行(オペレーション)について、また、企業のバリューチェーンの中での人事の位置づけについて、考えを巡らせたことはあるだろうか。企業のビジネスにとって、また組織運営にとって、バリューチェーンの(全体)最適化は欠かせない視点である。その視点について、概略を紹介する。

連載 グローバルビジネスに役立つ教養の本棚 第5回
歴史を学ぶ②「 世界史」流れで理解する

世界史をどう学ぶか、方法論はたくさんある。世界史の記述も、教科書的なものから、フレームワークに沿ったもの、環境や地理を中心に描くものと多様だ。だが、初心者が最初にすべきことは、「流れ」をつかむこと――これに尽きる。

人材教育最前線 プロフェッショナル編
職業人生の幅を広げる山や川を意図的につくるのが人事の仕事

試薬や化成品、臨床検査薬のメーカーとして、高い技術力で信頼を築いてきた和光純薬工業。こうした確実に安全性を確保しなければならない製品を扱う組織では、どうしても保守的な風土が醸成されやすいといえる。同社の総務人事部課長の山根聡氏は、社員の挑戦する意欲を引き出すために、平坦な道にあえて障害物を置くことも人事部門の役割だと説く。30年近い経験を持つ人事部門の専門家として、自分で考え、自分で行動できる社員が育つ環境づくりに情熱を注いでいる。

TOPIC
日本人材マネジメント協会コンファレンス「どうする? 日本の人事」セミナーレポート
差し迫るグローバル化において人事は何をつくり、何を展開するか

去る2012年2月27日、内田洋行 東京 ユビキタス協創広場 CANVASにて、日本人材マネジメント協会(JSHRM)主催のコンファレンスが開催された。「どうする? 日本の人事 ~グローバル競争に勝つための変革とは~」と題し、企業のグローバル化における経営、そして人事の課題となる人事管理・評価・育成について、どのような施策が可能なのか、問題点は何かといった観点から、事例を共有しながら議論が行われた。本稿では、パネルディスカッションについて報告する。

連載 人事の職場拝見! Vol.16
クラレ
世の中にない製品を生み出すために「自立した自律型人材」を育成する

「ミラバケッソ」のキャッチフレーズで知られる化学品メーカー、クラレ。「世のため人のため、他人(ひと)のやれないことをやる」という価値観のもと、独自の技術力で世界ナンバーワン、オンリーワンの製品を生み出してきた。その背景にある育成の考え方や施策について、同社人事部に話を聞いた。