月刊誌『人材教育』2012年11月号

プレイングマネジャーという言葉が使われるようになって久しく、 これまでも管理職の業務負荷が問題になっています。しかし状況は改善されるばかりか、グローバル対応、イノベーション創出、コンプライアンス対応など増える一方です。
そうした中で管理職に力を発揮してもらうには、管理職の働きやすい環境――業務負荷の軽減、組織ぐるみでの人材育成、能力開発のための機会提供や、モチベーション向上などを企業としてサポートしていくことが重要であると考えます。
本特集では管理職が置かれた状況を分析するとともに、管理職を支援する各社の仕組みを紹介します。

巻頭インタビュー 私の人材教育論
正しい倫理と自己変革が社会に貢献する人格と組織を育む

革新的なサービスにより、設立から10年あまりでネット金融最大手に成長したSBIホールディングス。2008年には、SBI大学院大学を設立、人材育成の分野にも進出した。同グループを率いる北尾吉孝社長に、人材に対する思いを聞いた。

Opinion 1
明るい職場をつくることが管理職を救う!

管理職が疲弊しているといわれて久しいが、何が管理職を疲弊させるのか。そして、管理職を元気にさせるために何ができるのか。『はじめての課長の教科書』の著者であり、企業人でもある酒井氏に聞いた。

Opinion 2
ミドルの課題を解決するには、会社全体での支援が必須

日本経済団体連合会(経団連)は、2012年5月に『ミドルマネジャーをめぐる現状課題と求められる対応』と題する報告書をまとめた。報告書の作成に事務局として関与した労働政策本部主幹の新田秀司氏に、ミドルマネジャーの現状と企業が取り組める対応について聞いた。

企業事例1 旭化成
4象限に基づくミドル研修により役割を明示しミドルの育成に注力

“人を育てる”企業風土を特色としてきた旭化成が、会社の中核を担うミドル層に向けたマネジメント研修を2009年にスタートさせた。研修の特徴になるのは、ミドルが現場で困ったり葛藤していることをヒアリングしたうえで「人財理念」を実践しやすくするよう「マネジメントの4象限」の形に落とし込んだ点だ。旭化成が立ち上げた4象限に基づくマネジメント研修の具体的な内容を紹介していく。

企業事例2 NTTコムウェア
ルーチン業務を削減する技を伝え思考業務へのシフトを狙う

業務過多の課長からは、業務を外すか圧縮しなければ、本来求められる戦略策定や人材育成等の思考業務にさらに力を注ぐことは難しい。NTTコムウェアでは、業務効率化のために職場ですぐに実践できる、ルーチン業務削減の技を伝授。 さらに人材育成、特に現場OJTの実践を主査クラスに移管することで、課長の時間を生み出した。

企業事例3 日本イーライリリー
“プレイング”マネジャー禁止
部下と上司の成長が生む好循環

「働きがいのある会社」調査で6年連続上位ランキングに名を連ねるなど、組織づくり、人づくりには定評のある日本イーライリリー。そんな同社の人事施策の中で、特に際立つのが「プレイングマネジャー禁止」というもの。育成こそミドルマネジャーの本分、といい切る同社の育成方針と仕組みを取材した。

覆面座談会 女性管理職のホンネ
これからが正念場
女性管理職が考える女性の働き方

産休や育休といった制度の充実、ダイバーシティや労働人口減少などから、女性活躍を推進したい企業が増えている。だが、企業がめざす女性活躍と、実際の女性管理職の働き方にギャップはないのか。今回は5名の女性管理職が集まり、本音で語り合った。管理職のやりがいや苦労、また、管理職だからこそ見えている今後の女性の働き方とそれを支える企業のあり方など、話題は多岐にわたった。

職場のメンタルヘルスケアは「上司」が鍵!
上司と部下の共創関係づくりを支援する
ジェックのMPP(メンタルパワー強化プログラム)

管理職に求められるのは、まずチームの業績のアップ。ただし、それによって部下や上司自身がメンタルヘルス不全に陥ったり、職場のメンタルヘルスの問題を放置していては、継続的な業績の向上は決して望めない。メンタルヘルスケアの問題と業績アップは同時に考える必要がある、そしてそのカギを握るのは職場の上司だ─今回、株式会社ジェックの葛西浩平氏、松原恭子氏に、職場のメンタルヘルスケアと業績アップのポイントについて、お話を伺った。

5つのマネジメント・プロセスを確立させよ
「管理職を鍛える独自のプロセスづくり」

上司には、本来上司にしかできないマネジメントの作法があり、人材育成のやり方があるはずだ。しかし、貴社の上司は自分の「型」がないまま安易な思考停止に陥り、上位方針を受け流すだけのマネジメントを行っていないだろうか?──管理職を鍛える独自のプロセスづくりを提唱する人材パワーアップコンサルティング株式会社 代表の二宮氏に、お話を伺った。

自社の方向性を見極め、主体的に組織をリードできる幹部候補者を育成するには

変化の激しい市場環境において、企業の幹部候補者に求められるのは、経営視点を持ち、自社の方向性を踏まえて市場動向を見極め、主体的に考え、動き、組織をリードすることではないだろうか。そうした人材を育成するには、どのような施策が有効なのか。「幹部候補者育成プログラム」を提供するHR インスティテュートのチーフコンサルタント、染谷文香氏に聞いた。

連載 金井壽宏の「人勢塾」に学ぶ。試す! 人と組織の元気づくり 第4 回
人と組織の元気づくり
第4 回「ドラム・サークル」

成熟社会。正解のないビジネス現場。社内のコミュニケーション不足――これらの課題に、即効性のある薬などないことは、誰もが感じているだろう。この状況に風穴を開ける術は、全くないのだろうか?その問いに挑むのが、神戸大学で金井壽宏先生が主催する第4期「人勢塾」。本誌では、「人勢塾」全10回の授業をレポート。施策1つで問題を解決するのではなく、組織全体へ多様なアプローチをする。そんな「組織開発」の手法を学び、ぜひ現場で試していただきたい。

連載 グローバルビジネスに役立つ教養の本棚 第11回
「国家論」
国家と不可分なグローバルビジネス

世界では恐らく日本人が思う以上に国家に対する当事者意識を持つ人が多い。また資源、インフラ、金融、ハイテクなどに関して競争を行う国家はビジネスに多大な影響を与える。そして、国家は個人にとってはモチベーションの源泉ともなる。今回は「国家」の意義や本質を知る書籍を紹介する。

新連載 ワンワード論語 第3 回
「過」

前回紹介したように、「信」をめざして、「言」「行」を自分なりに頑張ったつもりでも、思い通りに運ばず、「過(あやまち)」に至ってしまうことがあります。この「過」にどう取り組み、ビジネスや人生にどう活かしていけばいいのか、どうすれば「過」を減らせるのかを学んでいきましょう。

人材教育最前線 プロフェッショナル編
地域とともに健康を考え患者中心の看護を実践
医療生協さいたま生活協同組合

医療生協さいたま生活協同組合(以下、医療生協さいたま)は、埼玉県内6つの医療生協の合併で1992年に誕生。保健予防、医療、介護の安心ネットワークを構築してきた。人材育成にも力を入れ、地域ニーズに応える医療従事者を育成している。法人看護統括理事の牛渡君江氏は、看護師、保健師、助産師からなる看護部の教育制度を構築。「地域とともに、産み・育み・看とる」の理念のもと、キャリア別の教育システムをつくり上げてきた。牛渡氏がめざす「地域主体の医療」「患者中心の看護教育」とはどのようなものなのか、話を聞いた。

2011 年度の研修サービス市場は回復基調
施設貸し各社はサービス面での競争激化

企業向け研修サービス市場は、2011 年の東日本大震災の発生後に受注が減少したものの、同年度下期からは回復基調にある。そうしたなかで、研修施設・貸し会議室などを提供する研修関連サービス各社は、施設を充実させるだけではなく、サービスを強化することで受注増を目指している。研修サービス市場の最新動向について、レポートする。

TOPIC ①
ノーベル平和賞受賞者ムハマド・ユヌス氏来日シンポジウムレポート
ビジネスと社会性の融合が生み出す可能性

世界の貧困や人権侵害などの解決に、ボランティアではなくビジネスを通じて貢献する「ソーシャル・ビジネス」が今、注目を集めている。その火つけ役ともいえるのが、貧困層への融資を行うグラミン銀行の創設者であり、ノーベル平和賞を受賞したムハマド・ユヌス氏。そのユヌス氏を招いて、2012年7月24日に日本財団にて開かれたシンポジウム「ビジネスと社会性の融合が生み出す可能性」を紹介する。

TOPIC ②
2012年 SHRM第64回年次大会より見るHRの潮流
“全ては人に始まり、人に終わる”
戦略的ビジネスパートナーとしての人事

2012年6月24日~27日まで米国ジョージア州アトランタで開催されたSHRM(米国人材マネジメント協会)の年次大会。64回目を数える今大会は1万3000人が集う大規模な会となった。米国シルクロードテクノロジーの人事戦略責任者Tracy McCarthy氏が会を振り返りながら、HRの役割変化を語る。

連載 人事の職場拝見! Vol.22
日立総合経営研修所
日立グループの人財育成専門機関
成長戦略を支える担い手企業

関連会社939 社、従業員数約32 万人という一大企業グループ・日立グループ。そのグループにおける経営人財の育成を手がけるのが日立総合経営研修所だ。2年前、よりグローバルへと舵を切り、新たな次世代リーダー育成を開始。その概要を聞いた。