月刊誌『人材教育』2013年03月号

行き詰った日本を打開するために、今、イノベーションが求められています。
けれども、イノベーションとは偶然や運に左右されるものでもあり、意図的にイノベーションを起こすことには難しさがつきまといます。
そうした中で、人事部門ができることは、プロジェクトや職場、現場を、イノベーションが起きやすい状態にもっていくことです。グローバル化や労働意識の変化などが高まる今、組織をイノベーティブな状態に保つという人事部門への期待はますます強まっていると私たちは考えます。

3月号では、野村総合研究所で社内ベンチャーとして立ち上がった「IDELEA(イデリア)」という事業の運営に関わる石井宏司さんとコラボレーションし、組織はどうしたらイノベーティブになるのかを、5つのポイント(意識・思考・コミュニケーション・チーム・場)で掘り下げていきます。
実際に読者が一歩を踏み出せるような実践的なヒントを提供します。

巻頭インタビュー 私の人材教育論 京都の文化と歴史を背景に
中長期の視野で
人も技術も関係も育む

エンジン排ガス測定装置分野で80%の世界トップシェアを握る堀場製作所。 そして、同社は海外企業からも、堀場ブランドの傘下に入れてほしいという声が上がるほどのグローバル企業。 そうした世界に通用する魅力の源は、どこにあるのか。「おもしろおかしく」というユニークな社是と、京都の文化の中で培われた目先の利益や流行にとらわれない独自の経営哲学について伺った。

Opinion 総論 経営や市場が期待するイノベーションとは
イノベーションはビジネスセンスをもって
意図的に引き起こすもの

イノベーションは企業にとって、これまで以上に重要な課題になってきている。 経営陣が求めるイノベーションを、間接部門である人事部・人材開発部は、 どのようにすれば支援・推進することができるであろうか。 そもそも、イノベーションとは何であろうか。 名だたるグローバル企業がこぞって注力する今、注目の戦略コンセプト、 「リバース・イノベーション」に詳しい慶應義塾大学の小林喜一郎教授に、 イノベーションとは何かを伺った。

CASE.1 光文社「VERY」編集部
イノベーティブな現場とは 読者とブリジストンとのコラボ:イノベーションは「間」で生まれる

2011年6月の発売以来大ヒットとなっている新型電動アシスト自転車「HYDEE.B」(ハイディ・ビー)。女性誌「VERY」とブリヂストンサイクルという異業種コラボの成果だ。仕掛け人は、「VERY」編集長の今尾朝子氏。編集長就任直後から本誌売り上げアップを実現した今尾氏の普段の仕事から、コラボの裏側を聞き、イノベーターの素質を考える。

CASE.2 マース ジャパン リミテッド 人や会社をイノベーティブにする人事の挑戦 イノベーションは自分から:「まずやってみよう」で会社が変わる

会社を楽しくする”ことを専門にしている人事担当者がいる―― これこそイノベーションだと思い、会いに行ったのが、 マース ジャパン リミテッドの人事部でインターナルコミュニケーションを担当する榮夕香さんだ。 インターナルコミュニケーションとは、一体どんな仕事なのか。 そして、“楽しい”ことが、専任の担当者を置くほど、なぜ重要なのか? それを探ろうと、 榮さんの1日を密着取材。そこには人事の常識を覆す全く新しい人事の姿があった。

CASE.3 貝印 人や組織をイノベーティブにする経営企画の挑戦
口コミ的な仕掛けから、
イノベーティブな成果を得る

エンドユーザーとコミュニケーションをとりたいと考える企業は多い。 WEBで企業サイトが流行した時、多くの企業が自社サイトに顧客を集め、 コミュニケーションを図ったが、貝印は、自社製品について書いているユーザーのブログを探し出し、 1件1件コメントを残していくという、逆転の発想で顧客との密な関係づくりに成功した。 発想も素晴らしいが、企業で重要なのは、アイデアを潰さずに実行し、継続すること。その理由を聞いた。

イノベーションを生む
“高い多様性と深い関係性”の
組織づくりとは?

組織でイノベーションを起こすーーこのことを、自分事として捉えている人事・人材開発部門(以下HR)がどのくらいあるだろうか。HR も経営に深く関与していくことが求められている今、HR が中心になってイノベーションを起こすということも考える必要がある。今回、株式会社IWNC の増澤明子氏に、イノベーションを生む組織づくりにどう関わっていくべきかを伺った。

日本製造業の
イノベーションを支援する
iTiDのコンサルティング・サービス

かつて、世界市場を席巻した日本製品。Made in Japan は信 頼の証だった。ところが今、日本の製造業は世界的な顧客獲得 競争で苦戦を強いられており、真のイノベーションを創出する ことが喫緊の課題となっている。イノベーションを起こす人材 を、どのように育成すればよいのか。製造業の現場にまで入り 込むコンサルティングで知られる株式会社iTiD コンサルティ ング(以下、iTiD)の星野雄一氏、西村崇氏にお話を伺った。

地球規模大で
冷静に判断する戦略感覚を
いかにして育成するか

日本企業にとって、新興国・途上国における新規顧客の創造 は、本誌32 頁で慶應義塾大学大学院経営管理研究科の小林 喜一郎教授が指摘している通り重要課題であり、偶然性に委 ねるのではなく意図的・戦略的にイノベーションを起こして いく必要がある。では、世界規模の競争の中でイノベーショ ンを起こしていく企業や人材に求められる能力とは何か? それはどのように獲得・育成していけばよいのか? 慶應義塾 大学大学院経営管理研究科の岡田正大准教授にお話を伺った。

ワンワード論語 第7回
「知」

ビジネスでうまくいかなかった時の要因として、 よく知識不足が挙げられます。 とはいえ、その知識があれば本当にうまくいったのでしょうか。 そもそも知識とは何なのでしょうか。 今回はこの「知」を学んでいきましょう。

人材教育最前線 プロフェッショナル編
自らの客観化を促せば、
イノベーションが起こり、人は育つ

世界のソニーらしい自由闊達な発想から誕生したソニー損保。 誰も挑戦しなかったことをいち早く成し遂げるというソニーのDNAを受け継ぎ、損保市場に新たな時代を切り開いた。 ダイレクト自動車保険のリーディングカンパニーとして展開してきた同社の目下の課題は、創造する風土を大切にし、イノベーションを続ける企業文化を絶やさないという点にある。 同社の立ち上げから人づくりに携わってきた齋藤則明人財開発部長は、「教育とは自己の客観化により、自らなすべきことに気づいてもらうこと」だと話す。 こうした育成観に至った背景には、若手時代の出会いと経験があった。

JMAM 通信教育優秀企業賞 表彰企業事例報告 ケイテック
”自己啓発”で経営の変革を
人材面から推進する

電子機器の受託生産を中心に、 開発段階からの設計サービスや生産技術支援を伴う ソリューションサービスで社会に貢献するケイテック。 以前から行っていた通信教育を活用した人材育成は、 ソリューション提供企業にふさわしい、 自主性を育む自己啓発を重点としている。 同社の取り組みについて、話を伺った。

JMAM 通信教育優秀企業賞 表彰企業事例報告
コカ・コーラ セントラル ジャパン
目標値設定と仕掛けづくりで
主体的に学ぶ風土を醸成

コカ・コーラをはじめとする清涼飲料水を、 神奈川・静岡・山梨・愛知・岐阜・三重の6県で販売する コカ・コーラ セントラル ジャパン。 具体的な数値目標を掲げ、“主体的に学ぶ風土”の醸成に取り組んできた。 社員一人ひとりに、学ぶ大切さを どのように気づかせ、行動に移させたのか? その取り組みについて伺った。

TOPIC 書籍『プレイフル・ラーニング』発売記念イベント
「Toyful Meetup」レポート
「問い」を持ち寄り、語り合い、探究する
人々が能動的にかかわる学びの場づくり

2012年12月8、9日、奈良県吉野にて書籍『プレイフル・ラーニング』(三省堂)の発売を記念して、 同書の著者、同志社女子大学上田信行教授と東京大学中原淳准教授が主催する ワークショップイベント「Toyful Meetup(トイフル・ミートアップ)」が開催された。 同イベントには「大人の学びの場づくり」のヒントを求め、 企業の人材育成担当者や教育、人材育成に関心の高い社会人、学生総勢100名が集まった。 泊りがけで行われた濃密な2日間のイベントをレポートする。

連載 人事の職場拝見! 第26回
ユー・エス・ジェイ

“自らバットを振れる人材”をマインド変革と風土づくりで育てる 世界最高のエンターテインメントを提供し、子どもから大人まで幅広い年代の人たちがみな心から楽しむテーマパーク「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン®」。その運営を行うのが、ユー・エス・ジェイだ。夢の世界の裏には、同社人事部の工夫と努力があった。