月刊誌『人材教育』2013年04月号

2013年4月からの改正高年齢者雇用安定法では、労使協定による対象者基準が廃止され、 年金受給年齢の引き上げに合わせて段階的に、希望者全員を65歳まで雇用継続する制度を設けることを義務づけています。

日本のベテラン社員たちは他国の同世代と比べ、就業意欲が高いといわれていますが、 中には、現役時代から比べれば低い賃金にモチベーションを低下させてしまう人もいます。
また、積極的に働き続けたいと思っていない人や、特殊技能を保有しない人も雇用継続しなくてはならないため、人材マネジメントも難しさを増します。

そこで本特集では、難しい局面の中、人事・人材開発部門が何を考えるべきなのかを整理するとともに、ベテランシニアたちに、前向きに貢献・役割発揮をしてもらうためにできる働きかけを模索します。

めざせ☆経営型人事 書籍に学ぶビジネストレンド 第1回
知らずにはすまない「マーケティング」

ビジネスのトレンドを知っておくことは、経営や人材を考えるビジネスパーソンにとって必須。 本連載では、データバンクに勤め、1日1冊の読書を20年以上続けてきた、情報のプロが最新のビジネストレンドと、それを自分のものにするためのお薦めの書籍を紹介する。

巻頭インタビュー 私の人材教育論
トッパンフォームズ 代表取締役社長 櫻井 醜
年齢、立場に関係なく強みを伸ばし合い協働する
「品格のある組織」への挑戦

2015年に創立50周年を迎えるトッパンフォームズ。 新時代に向け、創造的革新を遂げるためには、 「品格のある組織」へと脱皮することが必要だと櫻井醜社長はいう。 櫻井社長のめざす「品格のある組織」と、その実現に向けた取り組みとは。

特集 過渡期を迎えるシニア活用 競争力につなげるベテランの力

 近年、労働力の確保の1つとして雇用延長が議論されてきた。2013年4月からの改正高年齢者雇用安定法では、労使協定による対象者基準が廃止され、年金受給年齢の引き上げに合わせて段階的に、希望者全員を65歳まで継続雇用する制度を設けることを義務づけている。  2006年から、定年の引き上げと継続雇用制度の導入は義務づけられていたが、労使協定で定めた基準を満たさない人は対象外にすることができた。しかし、その“対象外”がなくなったのだ。企業側は“ぜひ残ってほしい人”以外も、本人が望む限り、雇用継続せざるを得ないことになる。特にホワイトカラーが問題視されるが、やる気や能力が玉石混淆状態となり、人材マネジメントも難しさを増す。一部の企業の人事担当者からは不安の声が聞こえてきている。  本人にやる気があったとしても、雇用継続されるベテランたちは多くの場合、定年前と同じ仕事を継続するのに、給料は7~8割になるというケースが多い。やる気の低下が起こりやすいことは確かだ。

Opinion 1 マインドセットは変えられる 舞台づくりと適切な評価で
シニアの意欲を刺激する

高年齢者雇用安定法の改正により法律で雇用が維持されることに安住し、 自己を高める意欲を失うシニアたち。企業からは、彼らへの対応を懸念する声が聞こえてくる。 だが問題はシニアの心の持ちようだけではない。 彼らの意欲をそぐ原因は企業の体質にもあった。 シニアが積み上げてきた能力を企業の力へと転化させるには――。 これまで、シニアのマインドセットやシニア雇用の実態について、 100名以上のインタビュー経験を持つNTTデータ経営研究所の加藤真由美氏に聞いた。

Opinion 2 ”残ってもらいたい人”の育ち方 キャリアの連続性こそ
雇用継続される人材教育のカギ

4月から施行される改正高年齢者雇用安定法によって、 企業には事実上、希望者全員を、段階的に65歳まで雇用することが求められる。 今後、高年齢者雇用を着実に実施するため、企業はどうすべきか。 敬愛大学 高木朋代准教授は、これまで以上に 人材資源管理について長期的な視点を持つべきだと指摘する。

Opinion 3 生涯キャリアの視点から 企業人としての円熟を
組織運営と若手育成の糧に

改正高年齢者雇用安定法の施行による雇用延長推進は、高年齢者を本当に幸せにするのか。 そして、企業は彼らの力を十分に活用できるのか。 技能も意欲もばらつきがある世代を活かし、企業競争力の源泉とするために、 生涯キャリア発達の視点から渡辺三枝子氏が、個人と組織のありたい姿を示唆する。

CASE.1 あさ川製菓 雇用継続先進企業の知恵
高年齢の職人を導いてきた
会社の「期待」と「責任」

あさ川製菓は菓子製造で創業141年を数える老舗企業だ。 古くから高年齢の職人が活躍し、2006年(平成18年度)には、就業規則を改訂、99歳までの再雇用を打ち出している。 高年齢者を雇用する会社にはどんな視点が必要なのか。 代表取締役の桐村幸雄氏に話を聞いた。

CASE.2 カゴメ 働き方を選択できる
シニアの力を組織の成長に変える
3つの働き方

国内の上場食品会社としては いち早く定年退職者の再雇用制度を導入したカゴメ。 同社はこのほど、2001年の制度導入以来2度目となる大きな制度改革を行い、 2012年度から新制度をスタートさせた。 同社はいかにして再雇用者を戦力化しているのか。 これまでの再雇用制度の変遷と、新制度の内容について話を聞いた。

CASE.3 サントリーホールディングス より安心して働ける環境に
65歳定年制を導入し、シニア層のさらなる活躍を促す

サントリーホールディングスは、60歳で定年退職した社員を嘱託社員として再雇用する従来の制度を見直し、この4月より、正社員としての雇用を65歳まで延長する「65歳定年制」を導入する。 対象となるのは、同社に籍を置く約5,000人。 定年を延長するねらいと、シニア層を活かすための施策などについて取材した。

CASE.4 テンポスバスターズ 多様性が“自然”な職場年齢にこだわらず評価し、成長を促す
「戦力になるシニア」と働く

「従業員の3人に1人が60歳以上」。 高齢化社会の先端企業ともいえるのが、テンポスバスターズだ。 飲食業向けのさまざまな支援事業を行う。 2005年、厚生労働省・高年齢者雇用開発コンテストで部門別賞(能力開発部門)に入賞。 「何歳になっても成長したい」と思わせる、独自な人材育成を取材した。

シニア社員のキャリア自律を促す
「キャリア研修」の実施で会社と個人の活性化を支援

4 月から改正高年齢者雇用安定法が施行される中、今後増えるとみられる60 歳以上の社員への対応に苦慮する企業が少なくない。そこで求められるのは、戦力としての貢献だが、社員の意識が追いついていないことが多い。2000 年の設立以来、一貫してシニア社員向けにキャリア研修を提供してきたライフワークス代表取締役社長の梅本郁子氏に、シニア社員を対象としたキャリア自律支援の必要性について聞いた。

40代社員の「理性」のフタを取り去り「本気」を引き出す
キャリア開発プログラム

本来、企業の中核となるべき働き盛りの40 代社員に元気がないという。40 代社員が力を発揮できずにいるのはなぜなのか。どうすれば本来の力を発揮することができるのか。今回、株式会社リ・カレント代表取締役の石橋真氏と、同社マネージャーの小澤満氏、そして株式会社リード・コミュニケーションズ代表取締役の千代鶴直愛氏に、お話を伺った。

現場力強化の鍵を握る
管理者を育成するには?

現場力強化の鍵を握る管理者。その育成の重要性は理解しつつも、どのような手を打てばよいかわからず悩んでいる企業の人事教育部門が多いようだ。管理者の成長を通じて現場力を高めていくにはどうすべきか。その方策について、日本能率協会マネジメントセンター(以下、JMAM)のシニアHRM コンサルタント、井戸川寿義氏に聞いた。

大学でも現場でも学べない臨床スキルと知識を学ぶ
現役歯科医が集う歯医者さんの勉強会 藤本研修会

誰にとっても身近な存在である歯医者さん。藤本研修会では、現役の歯医者さんたちが、冠を被せた り、義歯を入れるなどの補綴治療や、歯周病、インプラントなどの歯科治療について学んでいます。 日々患者の治療に当たっている歯科医師たちが、職場の外で学ぶ理由とは?

金井壽宏の「人勢塾」に学ぶ。試す! 人と組織の元気づくり 第 9 回
「コーチを多く育成することを通じての組織変革」

成熟社会。正解のないビジネス現場。社内のコミュニケーション不足―― これらの課題に、即効性のある薬などないことは、誰もが感じているだろう。 この状況に風穴を開ける術は、全くないのだろうか? その問いに挑むのが、神戸大学で金井壽宏先生が主催する第4期「人勢塾」。 本誌では、「人勢塾」全10回の授業をレポート。 施策1つで問題を解決するのではなく、組織全体へ多様なアプローチをする。 そんな「組織開発」の手法を学び、ぜひ現場で試していただきたい。

ワンワード論語 第8回
「美」

今、あなたは自分の強みを発揮できていると思いますか? また、周りの人の強みを引き出せていますか? そもそも強みを把握しているでしょうか。 今回は人が持って生れた強み・資質を意味する「美」を学んでいきましょう。

社労士に聞く“職場あるある”
管理職のもやもや解決 第1回「よく休む社員がいる!」

円滑な職場運営は管理職の重要任務の1つ。けれども、さまざまな人が集う職場では日々問題が起こります。中には、手を出しにくいデリケートな問題も。 かといって、放っておくと大事に発展することもあります。どうすべきか、もやもやと悩んでしまう管理職も多いでしょう。ここでは、社労士のところによく持ち込まれる管理職の悩みをピックアップ。 人事にも把握しておいてほしい、解決方法を紹介していきます。

グローバルビジネスに通用する
「英語力」を習得するための秘訣とは?

ビジネスのグローバル化を推進する上で、避けて通れない課題が英語力の習得だ。「英語研修を行っているが、なかなか実践で使える力が身につかない」という企業は少なくないだろう。そんな中、研修を導入した企業から「英語力が向上した」「TOEIC テストスコアが大幅に上がった」と高く評価されているのが、英会話学校の運営で知られるイーオンだ。どのような研修を提供しているのか、英会話イーオンで企業研修を担当する法人部を取材した。

東京・パリ・シンガポールを舞台に多国籍のメンバーと現地で最先端のマネジメントについて討議する日本とフランスのトップスクールが共同で、世界3拠点を移動しながら現地で。
「グローバルエグゼクティブ・セミナー」

慶應義塾大学ビジネス・スクール(以下、KBS)は今年、フランスのトップビジネススクールESSEC との共同開催により、グローバル経営や海外ビジネスの中核を担うビジネスパーソンを対象とした「グローバルエグゼクティブ・セミナー」を新規開講する。東京・パリ・シンガポールの3 都市を巡りながら、グローバル展開戦略、イノベーション、グローバル人材マネジメントをテーマに、多国籍の参加者と英語で議論するユニークなセミナーだ。主管を務める大林厚臣氏に、専門のリスクマネジメントの観点から見た、このようなセミナーの必要性と、同セミナーの特徴を聞いた。

充実した施設とサービスで高リピート
合宿可能な総合型研修施設『リバブルスクエア南町田』

僅かながら景気に回復の傾向が見られる中で、教育研修を強化する企業も出てくると予想される。数ある研修施設の中から最適な施設を選ぶには、どこを重視すればよいのか。今、評判の東急リバブルが運営する複合型研修施設『リバブルスクエア南町田』から、そのヒントを考えてみたい。支配人の髙橋徳明氏と、中山陽一郎氏にお話を伺った。

人材教育最前線 プロフェッショナル編
人材育成の中で伝えつなぐ創業者の魂

『人間尊重』を理念に掲げる出光興産。 上場を果たした2006年までは勤務時間管理もなく、社員には若いうちから責任ある仕事を任せる。そこには、“組織に管理される人間になるのではなく、何事も自ら判断し、働く中で尊重される人間へと育ち、社会に貢献してほしい”という願いが込められている。人事部の古池勝義氏はそんな出光の理念を肌で感じ、次の世代へと引き継ぐ者の一人だ。「教育・育成の仕事を全うして、私を大事にしてくれた会社に恩返ししたい」。販売職をキャリアアンカーとして見据えていた同氏が、なぜ人事の道へと進んだのか。その道程と思いを聞いた。

特別企画 JMA能力開花大賞2012 能力開花賞 表彰企業事例報告
富士ゼロックス

日本能率協会では、1988 年より、優秀な能力開発を行った組織を「能力開発優秀企業賞」として表彰してきたが、企業や組織に対する社会的な要請の高まりを受け、2012 年、従来の制度に「社会」や「個人」の視点を盛り込んだ新しい表彰制度「能力開花大賞」を創設した。 第1回は、富士ゼロックスコントローラ開発本部とトレンドマイクロが、「能力開花賞」を受賞。 本誌では、「富士ゼロックスコントローラ開発本部」の小集団活動、「Plism 活動」を紹介する。

キャリアの節目で意識改革を促す
『マインド・イノベーション・プログラム』

ビジネスパーソンのキャリアには、昇進・昇格や役職定年、定年退職な どの重要な節目がある。節目から次のステップに進むには本人の意識改 革が重要となるが、これが容易ではない。個人の意識改革を、組織とし てサポートできる仕組みはないのだろうか。今回、このテーマについて 株式会社日本能率協会マネジメントセンター(以下、JMAM)の小林智 明氏に、お話を伺った。

課長職教育に公開型セミナーを活用
“他流試合”で強い管理職を育む
~JRAシステムサービス事例~

インターネットや携帯電話など多様化する情報通信技術に対応しながら、競馬情報サービスを提供するJRA システムサービス株式会社。同社は課長職への教育に日本能率協会マネジメントセンター(以下、JMAM)の公開型セミナー『気づいて成長する管理者コース/ MBI』を導入。課長職11 名を派遣し、管理者育成に役立てている。同社の管理者教育について、総務部人材開発室の藤田勝義氏、田村美文氏にお話を伺った。

論壇1 社長の気持ちが社員に届く
「ビジョン検定」のすすめ

多くの企業が頭を悩ませている「経営理念の浸透」や「ビジョンの共有」。 これらの浸透度を見える形で測ることは困難を極める。 そうした問題を解決する一助となり得るのが「ビジョン検定」という経営改革手法だ。 これは、検定試験方式の問題を解くことで、会社が大切にしている価値、社員に求めている行動や考え方を深く理解させたり、そのためのコミュニケーションをとることができるという。 その方法と効果とは。

論壇2 ~40代のキャリア開発~ 停滞する40代を活性化するキャリアデザイン研修の鍵

キャリア格差が開き始めることで、意欲と生産性の減退してしまいがちな40代中間管理職。 そうした彼ら・彼女らの活性化が、多くの企業で経営課題となっている。 企業も対策を講じてこなかったわけではないが、従来のキャリア研修では目覚しい効果が出てこなかった。 自分の能力に対して諦めの入った社員を活性化するためにはどうすれば良いのか。 その具体的方法を紹介する。

人事の職場拝見! 第27回
チャレンジするきっかけを与える意欲を成長へと導く育成プログラム

あいおいニッセイ同和損害保険の人事部は、自らを“いい会社にする部門”と位置づけ、社員の成長と活躍をバックアップしている。合併会社だからこそ持ち得る多様な人財。その個々の能力を生かし、視野の広い、意欲ある社員へと育てる人事部の取り組みを紹介する。