月刊誌『人材教育』2013年10月号

「○○シンキング」や「○○の技術」など、 さまざまな文章術や思考法に関する情報が巷にあふれています。
しかし、ビジネスパーソンにとって、「読む力」「書く力」「考える力」といった基本能力を 高めることの本当の意味は、単にスキルを習得することではないはずです。
それは一つには、自らを成長させ、仕事を進めていくために深く考え、 物事を多面的に捉えられるようになることだと、編集部では考えます。

では、スキルの獲得から一歩進んで、 本当に自分の頭で考えられるようになるためには、 どうすればいいのでしょうか。
また、組織の人材開発部門としては、 個人の基礎力向上に、どういうアプローチをとるべきなのでしょうか。
本特集ではそれを明らかにし、実際に取り組みを行う事例も紹介します。

めざせ☆経営型人事 書籍に学ぶビジネストレンド 第7回
「経営学」は全てのビジネスに通じる

ビジネスのトレンドを知っておくことは、経営や人材を考えるビジネスパーソンにとって必須。本連載では、データバンクに勤め、1日1冊の読書を20年以上続けてきた、情報のプロが最新のビジネストレンドと、それを自分のものにするためのお薦めの書籍を紹介する。

巻頭インタビュー 私の人材教育論
人は“育てる”のではなく“育つ”――
会社は学ぶ大切さを伝え自ら学ぶ人を支援するのみ

1993年に伊藤忠商事から、ジョンソン・エンド・ジョンソン日本法人へ。そして社長などを歴任した後、2009年にカルビーの会長兼CEOに就任した松本晃氏。この4年間で収益性を改善し、株式上場を果たすとともに、海外事業の大幅拡大を打ち出した。新しいステージに入ったカルビーが求める人材像や、企業人に必要な成長の要件とは。

特集
読む・書く・考える力
ビジネス基本能力を鍛える

「○○シンキング」や「○○の技術」など、さまざまな文章術や思考法に関する情報が巷にあふれている。しかし、ビジネスパーソンにとって、「読む力」「書く力」「考える力」といった基本能力を高めることの本当の意味は、単にスキルを習得することではない。それは一つには、自らを成長させ、仕事を進めていくために深く考え、物事を多面的に捉えられるようになることである。では、スキルの獲得から一歩進んで、本当に自分の頭で考えられるようになるためには、どうすればよいのか。人材開発部門としては、個人の基礎力向上に、どういうアプローチをとるべきなのか。本特集では、さまざまなヒントを紹介する。

Opinion 1 表現力・思考力を高める 「書き方」
思考も、働く喜びをも深める“考えて書く筋トレ”とは

文章を書くこと――学校でもビジネスの現場でも、誰しもが日常的に行っている作業だ。しかし、本当に思いを込めて「考えて書く」場面はどれだけあるだろうか。そうした場面が減って、書く“筋力”を使わないでいると、仕事で発揮できる能力もどんどん低下してしまうだろう。では、考えて書く力を鍛えるためにはどんな「筋トレ」が必要なのか。学生から社会人まで、幅広い世代に文章表現力・思考力・コミュニケーション力の教育に取り組んでいる、山田ズーニー氏に伺った。

Opinion 2 考える力は本で身につける 
読書こそ知を強化する唯一の道

外務省時代は国際情報分析の第一人者として活躍し、現在はインテリジェンス論から男女の人生相談まで幅広い著述活動を行う作家・佐藤優氏。4万冊の蔵書を有し、月に300冊以上の本を読むという佐藤氏は、読書によってしか「知」は鍛えられないと語る。なぜ本を読むのか。どう読み、どう仕事に活かすのか。本との向き合い方について話を伺った。

Opinion 3 著者・自分・他者と向かい合う
古典を媒介にした対話で“読んで考える”効用

ネット記事や雑誌、ビジネス書、ハウツー本と、情報がさまざまに溢れる時代。深く思考できる力を育てるための一つの方法に「古典」といわれる書籍の読書がある。古今東西の古典をもとに対話し、理解や気づきを得るセミナーを行う日本アスペン研究所に、なぜ古典なのか、また古典を読んで学ぶことの効用を聞いた。

CASE.1
VOYAGE GROUP 読む・書く・考える場づくり
社内図書館で思案し日報で振り返り、自分を表現

企業が常に新しい価値を生み出し続けるためには、人と人、人と会社、会社と会社をつなげる「ストーリー」が必要だと、VOYAGE GROUP代表取締役CEOの宇佐美進典氏は言う。同社でそのストーリーは、自由に読み書き考える場によって共有されている。ユニークな環境づくりと、そこで起きている学びを取材した。

CASE.2
楽天技術研究所 研究者の事業的視野を広げる
研究所内外での人的交流を深め
多様で柔軟な思考力を身につける

多様性を持って日々変化し続けるネットビジネスの世界では、さまざまな分野の人とかかわり、スタッフの視野を広げられるかどうかが事業発展のカギとなる。楽天グループの技術戦略の中核を担う楽天技術研究所では、研究者が「深く考える」前提となる事業的視野を広げるためのさまざまな取り組みを行っている。

CASE.3
キングジム 考え抜くために必要なものとは
思いつきを深めて形にする
“チームで対話し考える力”

キングジムといえば、スクエアマークのファイルなど、オフィス文具の老舗だ。デザイン性の高さや単機能が製品の特長で、近年ではデジタル技術と連動した商品でヒットを連発。そうした独創的な商品を考える力は、どのように生まれているのか。商品開発部長の安蒜康英氏に伺った。

CASE.4
東京都 言葉で考える人間として
生き抜くための言葉の力を取り戻す

2010年4月、猪瀬直樹副知事(当時・現知事)がスタートした「『言葉の力』再生プロジェクト」。猪瀬氏は本誌2010年11月号のインタビューで、日本人の言語力の低下に警鐘を鳴らしている。「人間は言葉でものを考えているのだから、言葉をきちんと鍛えなければダメだ」。言葉を鍛えることで、自分の気持ちや考えていることを他者に伝え、他者とかかわっていくことができる。考えて、他者にかかわって生きる――言葉の力を回復することは、生きる力の回復につながるのだ。

社会人としての基本と
グローバル標準のスキルを習得
国内でも海外でも活躍できる力を育む

入社後3年間は基本教育を徹底する「入社3年間義務教育」を提唱している日本能率協会マネジメントセンター(以下、JMAM)。JMAMの提案する「土台づくり」が浸透する一方で、社会環境は急速に変化し、グローバル標準のスキルを持つ社員の育成が新たな課題となっている。こうした状況下で基本教育はどうあるべきか。JMAM通信教育事業本部の野本氏、斎木氏、河田氏にお話を伺った。

中原淳の学びは現場にあり! 第23回
「もう一度、社会に戻って働きたい」
農業での再出発・再挑戦を支援する畑の学び

日本の新たな「成長分野」として位置づけられ、産業として注目を集めている農業だが、高齢化や後継者不足により農業人口は減少し続けている。そうした農業の現場に、農業で人生の再チャレンジをめざす元ホームレスや生活保護受給者を送り込もうと就農支援を行うNPO「農スクール」を訪れた。

ワンワード論語 第14回
「行」

人間社会において、あなたへの「信」―― 信用や信頼を得るもとは、「行」――あなたが実際に何を実行したのか、によって判断されます。

社労士に聞く“職場あるある” 管理職のもやもや解決 第7回
「有休取り過ぎ社員」

円滑な職場運営は管理職の重要任務の1つ。けれども、さまざまな人が集う職場では日々問題が起こります。中には、手を出しにくいデリケートな問題も。かといって、放っておくと大事に発展することもあります。どうすべきか、もやもやと悩んでしまう管理職も多いことでしょう。ここでは、社労士のところによく持ち込まれる管理職の悩みをピックアップ。人事にも把握しておいてほしい、解決方法を紹介していきます。

人材教育最前線 プロフェッショナル編
一流企業創りの原点は“人”
経営理念の浸透で育てる人材

「夢ある未来を、共に創る」を経営理念に掲げるSCSK。経営トップは「グループ全社員が夢を持ち、それを実現できる一流の会社になる」と社員にメッセージを送る。これに深く共感し、人材開発施策で会社を未来へと牽引しているのが、SCSK人事グループ人材開発部人材開発課長の中藤崇芳氏だ。「人材マネジメントは会社経営の基本。企業の理念と方向性を社員に浸透させ、その理念を実現できる人材を育てたい――」。会社の転機を身近に経験してきた中藤氏だからこそ成し得る人材開発・育成の形がそこにはあった。

グローバル調査レポート 第2回
アジア・アセアン各国の人事課題の現状

あらゆる業種でグローバル化への対応が迫られる中、アジアに展開する企業にとっても、リーダーシップを発揮できる人材の確保は急務だが、なかなか良い方策が打ち出せていないのが現状だ。そこで、アジア各国から見えてきた人事課題について、さまざまな観点から比較・調査したレポートを紹介する。

講演録 SoftBank World 2013 基調講演レポート
「グローバルクラウド」と「モバイルインターネット」の時代
情報革命・技術大革新が導く世界標準のワークスタイルとは

スマートフォンやタブレット端末の普及により、ワークスタイルが大きく変革している中、革新的なビジネススタイルの最先端情報を発信するSoftBank World 2013が、2013年7月23日~24日、東京都港区のザ・プリンスパークタワー東京で開催された。2日間で1万2,000人もの参加者を集めたこのイベントでは、基調講演の他、モバイルソリューション、クラウド関連の製品、技術、ソリューション、サービスの展示とセッション等が行われた。本稿では、初日に行われた基調講演から、一部を紹介する。

ここから始める!ポジティブメンタルヘルス 第6回
マネジメントでの対策:
管理者教育に組み込むマネジメント・コンピテンシー

依然として悩ましい職場のメンタルヘルス問題。“未然防止”が重要になる今、人事部門がどう考え方を見直し、動けばいいかを、すぐ使える具体的なツールも含めて紹介する連載です。