月刊誌『人材教育』2014年05月号

激しい環境変化に適応しながら結果を出すために、社会人は学び続けなければなりません。しかし、先行きが見えない不安や諦めから、学習意欲を低下させてしまう人も多いのが現実です。そうした中、人材開発部としては学ぶ必要性を伝えることや、学びたくなる環境を提供することで、 組織を活性化し、企業の競争力を高めることが求められると考えます。

また、過去において学びとは辛い努力や厳しい経験を経て得られるものだというイメージがありましたが、昨今ではゲーミフィケーションをはじめとした「楽しさ」の中で学ぶという新しい考え方も登場しています。

本特集では、「楽しい学び」という新しい考えに注目し、 人材開発部がどのように組織の中の「学び」へのモチベーションを高めることができるかを紹介します。

めざせ☆経営型人事 書籍に学ぶビジネストレンド 第14回
自社の未来見えていますか?「未来予測Part.2」

ビジネスのトレンドを知っておくことは、経営や人材を考えるビジネスパーソンにとって必須である。本連載では、データバンクに勤め、1日1冊の読書を20年以上続けてきた、情報のプロが最新のビジネストレンドと、それを自分のものにするためのお薦めの書籍を紹介する。

巻頭インタビュー 私の人材教育論
顧客に選ばれる組織とは前向きな心・言葉をつかい人の本来の力を引き出せる集団

企業の海外進出が進み、英語教育への関心が高まっている。そうした中、全国に253校の英会話スクールを展開するイーオンでは、教材・カリキュラム・教え方の質を高めると同時に、生徒の本来の力を引き出せる教師やスタッフを育成することで、他の英会話スクールとの差別化を図り、需要の獲得を狙う。

特集
めざせ!プレイフルカンパニー
「楽しさ」の中に溢れる学び

「楽しさ」とは、何だと考えますか? 仕事や学習においては、辛くても耐えることが美点とされがちである。確かにそうした面もあることは否めない。だが、社員が閉塞感を感じていたり、なかなかイノベーションが生まれない組織が多い今、もう一度、「楽しさ」を見直してみてはどうだろうか。今回の特集では、「楽しさ」の可能性と、それを人材開発部門がどうサポートできるかを紹介する。

OPINION 1 プレイフルとは、夢中になって本気で取り組むこと
もっと楽しんでいいんだ
めざせ! プレイフルカンパニー

誰しも、時間を忘れて遊びに没頭した記憶があるだろう。その情熱を仕事にインストールできたら、最高ではないだろうか。1970年代にハーバード大学へ留学し、「セサミストリート」の研究をした上田信行氏は、日本企業を覆う閉塞感を打ち破るのは、「プレイフル(=本気で楽しむ)」だと言う。学びや仕事、創造性へのヒントが満ち溢れている「プレイフル」について、真剣に考えてみよう。

OPINION 2 心を整え、ご機嫌カンパニーになろう
一流選手も取り組むパフォーマンスを高める方法

楽しいかどうかは、自分の心の状態次第。その心を整えるプロが、スポーツドクターの辻秀一氏だ。数々のスポーツ選手のメンタルトレーニングを行ってきた辻氏は、人のパフォーマンスを左右するのは、2つ――行動の「内容」と「質」、すなわち、どのような心の状態で、それを行うかだという。どうしたら一流アスリートのように心を整えてハイパフォーマンスを出し続けられるのかを聞いた。

OPINION 3 ゲームに見る「楽しい」学びの可能性
人が夢中になるノウハウを持つ「ゲーム」を学びに活かす

「楽しい」学びで社員のモチベーションアップを図る1つの手段として、楽しく学べる「ゲーム」の活用への注目が高まっている。そこで、ゲームを活用した学習のデザインを研究している東京大学の藤本徹氏に、ゲームの楽しさとは何か、またゲームはどう学習に活用できるのかなどについて伺った。

現場の本音を聞く!
人事の声

ここまでOPINIONのさまざまな「楽しさ」への考え方を見てきた。だが、そうは言っても人材開発部門が「楽しさ」を取り入れるのは難しい。企業という場所で日々、人材開発に向き合っている人たちは、「楽しさ」に意味を見出し、重要視しているのか。そして、「楽しさ」をどのように捉えているのかを聞いた。

CASE.1
組織風土と仕組みで支える
各自の「やりたいこと」を実現できる環境が楽しさを生む

漫画名刺、サイコロ給などユニークな制度が有名なカヤック。「面白い人より、面白がる人になれ」という同社では、「楽しさ」を大切にしている。同社が定義する楽しさとは何か、そしてそれをサポートする仕組みを紹介する。

CASE.2
主体性を発揮するからこその楽しさ
自発性を促し、環境を整えることが活発な“課外活動”に結びつく

日本オラクル(本社:東京都港区)では、自らのキャリアと、それを達成するための能力開発はまず本人が考えるという風土が根づいている。そしてそうした主体性が、さまざまな勉強会や業務外の取り組みにも発揮されている。社員が主体的に活動できる環境をどのようにサポートしているのかを紹介する。

CASE.3
企業内で自律的に学ぶ個人
みんなで学ぶことが自律と成長のきっかけとなる

渡邉明男氏は、2つの顔を持っている。表の顔は、富士ゼロックスの営業職。もうひとつの顔は、社内の「ドラッカー自習塾」を主宰し、社内外で行われる「知識労働者の自律促進の講座」の講師を務めるなど、自らも学びながら仲間と共に自律的に学ぶ場をつくる「学び人」だ。渡邉氏のユニークな活動を通して、自ら学び、学びを楽しむモチベーションの源泉について考える。

アドベンチャーが、信頼関係の醸成と組織の成長を促す

プロジェクトアドベンチャージャパンが提供する研修『プロジェクトアドベンチャープログラム』(以下、PAプログラム)は、座学では得られない気づきや仲間同士の信頼関係を醸成する体験型学習として注目を集めている。近年、これまで以上に企業からの問い合わせが増えているのは、職場における信頼関係が希薄になっている証拠だろう。PAプログラムがなぜこれほどまでに注目されているのか、同社の門田卓史氏にお話を伺った。

「JMAM通信教育優秀企業賞」から読み解く
通信教育を活用した「一人ひとりが学ぶ風土づくり」

社員の学びのモチベーションを高めるための施策として、多くの企業で導入されているのが、通信教育を活用した「自己啓発支援制度」だ。日本能率協会マネジメントセンター(JMAM)では、社員教育に通信教育を上手に活用している企業を「JMAM通信教育優秀企業賞」で毎年表彰している。受賞企業は、通信教育をどのように活用して「学ぶ風土づくり」をしているのだろうか。JMAM通信教育事業本部 販売促進部長の斎木輝之氏に聞いた。

人材教育最前線 プロフェッショナル編
イノベーションを生む組織力を豊かな感性を持つ人材でつくる

「どんなことにも問題意識を持てる感性が大切だ」と語るのは、古河電気工業の人財育成担当部長、上原正光氏だ。電力や情報通信分野を中心に光ファイバケーブルや半導体光デバイスなどの製造開発を手掛ける同社。素材の力と培ってきたノウハウを融合し、新たな製品を生み出すための自立心やチャレンジ精神を持った人材を求めているが、「気づきのセンスがなければ進化はできない」と言う。そんな個々の感性とスキルを高めるために上原氏が打ち出す教育プログラムは、全て「組織力強化」という一本の軸でつながっていた。

船川淳志の「グローバル」に、もう悩まない! 本音で語るヒトと組織のグローバル対応 第1回
「無知の知」に気づけば、学び続けられる

多くの人材開発部門が頭を悩ませる、グローバル人材育成。グローバル組織のコンサルタントとして活躍してきた船川氏は、「今求められているグローバル化対応は前人未踏の領域」と前置きしたうえで、だからこそ、「我々自身の無知や無力感を持ちながらも前に進めばいいじゃないか」と人材開発担当者への厳しくも愛のあるエールを送る。

特別企画 KAIKA カンファレンス 第三弾
KAIKAカンファレンス2014レポート

日本能率協会が1982年から開催してきた「HRD JAPAN(能力開発総合大会)」が、「KAIKAカンファレンス」としてリニューアルされた。小誌では2月号、3月号に「特別企画」と銘打ち、その背景にある考え方を紹介してきた。今回は第三弾として、いよいよ当日(2月19日~21日)に開催されたカンファレンスから、オープニングの基調講演・対談と、2日目に行われた「“ 世界潮流”Lab.」の模様をレポートする。(会場:東京コンファレンスセンター・有明)

国際ビジネスコミュニケーション協会
ビジネスで求められる「英語発信力」向上に役立つ
TOEICⓇスピーキングテスト/ライティングテスト

ビジネスのグローバル化が加速する中、英語での発信力の必要性が高まっている。そこで注目されるのが、英語で話す、書く能力を測定する「TOEICスピーキングテスト/ ライティングテスト(TOEIC SWテスト)」だ。ここでは、日本でTOEICプログラムを運営する国際ビジネスコミュニケーション協会(IIBC)の安藤益代氏が、KAIKAカンファレンスで行ったプレゼンテーション「企業が求めるビジネス英語力とTOEIC SW テスト」の抄録をお届けする。 開催日:2014年2月20日 会場:東京コンファレンスセンター・有明 主催:日本能率協会

ワンワード論語 第21回
「富」

財産は多いに越したことはありませんが、それが全てなのでしょうか。今月は、この財産やお金を意味する「富」について学びましょう。

社労士に聞く“職場あるある 管理職のもやもや解決 第14回
「禁煙スペースで喫煙する社員!」

円滑な職場運営は管理職の重要任務の1つ。けれども、さまざまな人が集う職場では日々問題が起こります。中には、手を出しにくいデリケートな問題も。かといって、放っておくと大事に発展することもあります。どうすべきか、もやもやと悩んでしまう管理職も多いことでしょう。ここでは、社労士のところによく持ち込まれる管理職の悩みをピックアップ。人事にも把握しておいてほしい、解決方法を紹介していきます。

TOPIC 煩わしい行政手続が簡単・便利に
電子申請で可能な社会保険・労働保険分野の手続
煩わしい行政手続が簡単・便利に

政府は、電子政府の推進を掲げ、ICTを活用した行政情報化推進と利用者本位の行政サービスの提供をめざした取り組みを進めてきた。その取り組みの柱の1つとして開設されたポータルサイトが、総務省が運営する「電子政府の総合窓口」(e-Gov:イーガブ)だ。本稿は、企業の人事・労務担当者や社会保険労務士が行う社会保険・労働保険分野の手続の負担を軽減する電子申請の方法について紹介する。

4つの活用法で、社員の学習意欲を高めeラーニングライブラリ®の利用率が向上!
エア・ウォーター・プラントエンジニアリング事例

産業用ガスの設備設計から稼働までのソリューションを提供するエア・ウォーター・プラントエンジニアリング。同社は、日本能率協会マネジメントセンター(JMAM)のeラーニング(以下、eラーニング)の全コースライブラリを導入し、社員の幅広い知識習得に努めている。今回、同社のeラーニング活用法について、管理部の前田陽一朗氏、田口雄也氏にお話を伺った。

グローバル調査レポート 第7回
~アンケート調査から読み解く~
日本企業における英語力の必要性と世界各国のTOEICテスト受験者の実像

TOEICテスト、TOEICスピーキングテスト/ライティングテストを実施・運営する国際ビジネスコミュニケーション協会(IIBC)では、グローバル人材育成や企業で求められる英語力等に関するさまざまな調査を実施し、発表している。本稿では、全上場会社に対して2年に一度行っている調査「上場企業における英語活用実態調査」ならびに、世界におけるTOEICテスト受験者について初めて紹介した「TOEICテスト Worldwide Report」から、日本企業における英語力の必要性と、世界のTOEICテスト受験者の傾向を概観する。

人事の職場拝見! 第40回
場の設定ときっかけの提供自主性の尊重で波及する学習意欲

SNSやブログ、各種アプリなど約40のインターネットサービスを月間2000万人に提供するGMOメディア。時流に乗ったコンテンツを生み出す同社では、“自主性に任せる”が育成のモットーだ。そこには自発的学びからチャレンジ精神や創造力を養うための、「あえて与えない」という仕掛けがある。