月刊誌『人材教育』2014年06月号

近年、IT技術の発展や経済状況が激変し、若い世代を取り巻く環境も変わっています。それに伴う形で職場におけるOJTも難しさを増し、2000年代から段々とOJTの機能不全が叫ばれるようになりました。 多くの人事・人材開発部門も、時代に合ったOJTや、現場での学びを実のあるものにする施策に対し頭を悩ませています。

そもそも、今求められているのは、答えのない問いに対峙し、自ら考えて解決していける主体的な人材です。 そうした人材を今後育てていくには、従来の、指導役を決めて育成させるOJTの仕組みに、これまで以上の工夫が必要になるのではないでしょうか。また、指導役と被指導者といった限定した関係だけではなく、組織や職場全体に、教え合う風土や深い関係性も重要でしょう。

本特集ではそうした、自ら考えさせる新しいOJTの形や現場での学びの方法を、「On The Job THINKING」と名づけ、そのつくり方を提案します。

めざせ☆経営型人事 書籍に学ぶビジネストレンド 第15回
プレゼンテーション今まさに大注目のビジネススキル

ビジネスのトレンドを知っておくことは、経営や人材を考えるビジネスパーソンにとって必須である。本連載では、データバンクに勤め、1日1冊の読書を20年以上続けてきた、情報のプロが最新のビジネストレンドと、それを自分のものにするためのお薦めの書籍を紹介する。

巻頭インタビュー 私の人材教育論
“粒ぞろいより粒違い”教育より「発育」

変貌を続ける広告業界にあって、しなやかに業容を広げてゆく博報堂。 2003年の大広、読売広告社との経営統合以降も、インターネット系広告会社を子会社化するなど、統合マーケティングや海外市場に目を向けた戦略をとってきている。 そうした中、多くの企業にとって、多様性への対応は大きな課題だが、同社はかねてより「粒ぞろいより粒違い」と謳う。 一人ひとりのクリエイティビティを磨き上げる、博報堂流の「発育術」とは。

特集
自ら考える人材が育つ新しいOJTの提案
On The Job THINKING

本特集は、これまでの「現場の学び」や「OJT」を再考するものである。 近年、IT技術の発展や経済状況が激変し、若い世代を取り巻く環境も変わっている。 それに伴う形で職場におけるOJTも難しさを増し、2000年代から段々とOJTの機能不全が叫ばれるようになった。 多くの企業が、現場任せを脱し、時代に合ったOJTや、現場での学びを効果的にする方法を探し続けている。 そもそも、変化の激しい今の時代に求められているのは、答えのない問いに対峙し、自ら考えて解決していける主体的な人材だ。 そうした人材を育てるために必要な、新しいOJTの仕組みや工夫、また現場での学びの方法を、「On The Job“THINKING”」と名づけ、その方法を提案したい。

OPINION 1 瞬間瞬間を振り返り、考える――
「リフレクション inアクション」をOJTに組み込むには

OJT、現場の学びを通して、自ら主体的に考え行動できる人を育てるには、経験学習が不可欠である。では、OJTに経験学習を組み込むとはどういうことなのか。人が経験を振り返り、学ぶ際にポイントとなることとは。また、育て上手はどう考えさせているのか――。経験学習研究の第一人者である松尾睦教授に聞いた。

OPINION 2 育て上手は聞き上手!
経験学習を促す聞き方の極意

自分で考えられる人材を育てるには、日々の仕事やOJTの中で、上司は特にどのように部下の話を聞けばいいのだろうか。“育て上手な上司”として定評のある阿野氏は、「1対1で聞き切る」ことの重要性を説く。その底流には「1人ひとりの存在を認め、“和顔愛語”で接する」という“こころ”がある。阿野氏に、その方法とノウハウ、またそれらを習得した経験を伺った。

CASE.1
博報堂
自ら考え主体的に行動する「自分ごと」を身につけるOJT

博報堂では2007年頃から、OJTの改革に着手してきたが、そのキーワードとなったのは「自分ごと」という言葉だ。社内では、自ら考え主体的に行動する「自分ごと」という言葉がしばしば用いられてきた。この「自分ごと」の意識を身につけさせるため、数年かけて新入社員OJTの仕組みを再構築した。その取り組みをまとめた『「自分ごと」だと人は育つ』(日本経済新聞出版社)を上梓した人材開発戦略室の白井剛司氏に「自分ごと」を身につけさせるためのOJTについて聞いた。

CASE.2
日立ソリューションズ
2年間にわたる新人教育で自律性のある人材を育てる

日立グループにおける情報・通信システム事業の中核企業、日立ソリューションズ。ITビジネスで直面する新たな課題に対して、自ら考え、解決していくことが求められる中、同社では入社後2年間、OJTリーダが中心となり、職場ぐるみで新人を育てる仕組みを構築し、自ら考え行動できる自律型人材の育成に力を注いでいる。

CASE.3
古河電気工業
部門内の人材育成について皆で考えさせるOJT制度

古河電気工業の「OJTリーダー制度」は、ただの新入社員教育ではない。新入社員の教育を通して、リーダーの育成と職場の育成力、組織力強化などを同時に行うという取り組みである。その仕組みと工夫とは。

ラテラル・ロジカル・クリティカル
3つの思考法が同時に身につく通信教育の新コースが開講

OJTの機能不全が叫ばれる今、現場で“自ら考え行動する人材”の育成が人材開発上の大きな課題となっている。「今のビジネス環境では、現場で多面的にものを考える機会が少ないので、意識的にその機会を創出する必要がある」と述べるのは、幅広くコンサルティング活動を行う吉澤準特氏。今回、同氏が執筆した日本能率協会マネジメントセンター(以下、JMAM)の通信教育『仕事によく効く!思考術コース』が開講し、多面的にものを考える力を養えるとして注目を集めている。今回、同コースの著者である吉澤準特氏と、開発を担当した西山朋樹氏に、その内容や学習を通じてどのような力を身につけることができるのか、お話を伺った。

グローバル人材マネジメントゾーンを新設!
さらにパワーアップしたHR EXPO 2014 いよいよ開催!

人事業務を支援するあらゆる製品・サービス・システム等の各社が一堂に会する展示会 HREXPO 2014 が、7月16日(水)から18日(金)までの3日間、東京ビッグサイトで開催される。昨年に続いての開催となる今回は、グローバル人材マネジメントゾーンの新設、さらに充実したセミナー類など、人事担当者にとっては、目が離せない内容となる。そこで今回、主催のリード エグジビション ジャパンHR EXPO 事務局長の松尾直純氏と事務局次長の細野圭氏に、HR EXPO2014の特徴と見どころについてお話を伺った。

中原淳の学びは現場にあり! 第25回
絶対にミスが許されない職場での育成法
空の安全を守る航空管制官の学び

1日に約1200回もの離着陸がある羽田空港。約1分に1回の間隔で離着陸する航空機の交通整理をしているのが航空管制官です。航空機の安全かつ円滑な運航を支える航空管制官の仕事は、航空管制に関する知識、語学力はもちろんのこと、空間認識力、判断力、集中力など高度な能力が必要とされます。航空管制官たちは、決してミスが許されない航空管制の仕事をどのようにして学んでいるのでしょうか。航空管制官の現場での学びを取材しました。

船川淳志の「グローバル」に、もう悩まない!本音で語るヒトと組織のグローバル対応 第2回
グローバル社会の多様性に向き合う

多くの人材開発部門が頭を悩ませる、グローバル人材育成。グローバル組織のコンサルタントとして活躍してきた船川氏は、「今求められているグローバル化対応は前人未踏の領域」と前置きしたうえで、だからこそ、「我々自身の無知や無力感を持ちながらも前に進めばいいじゃないか」と人材開発担当者への厳しくも愛のあるエールを送る。

ワンワード論語 第22回
「政」

さまざまな心や考えを持った人々が集まれば必要になるのが、「政」、つまりマネジメントです。今月は、マネジメントのポイントについて学びましょう。

社労士に聞く“職場あるある” 管理職のもやもや解決 第15回
「取引先にセクハラする社員」

円滑な職場運営は管理職の重要任務の1つ。けれども、さまざまな人が集う職場では日々問題が起こります。中には、手を出しにくいデリケートな問題も。かといって、放っておくと大事に発展することもあります。どうすべきか、もやもやと悩んでしまう管理職も多いことでしょう。ここでは、社労士のところによく持ち込まれる管理職の悩みをピックアップ。人事にも把握しておいてほしい、解決方法を紹介していきます。

人材教育最前線 プロフェッショナル編
「教育を受ける機会は均一に、教え方は個別に」を実践する

一人ひとりと向き合い、個々の適性に合った教育を与える――。ヤマト運輸 人事総務部課長の江原 美江氏が何より大切にしていることである。社員を会社の財産=「人財」と考え、「人を尊重」することを基本精神の1つとするヤマト運輸。そんな中で江原氏は、“日本各地に点在するどの営業所に配属されても教育を受ける機会は等しく、しかし、育て方は一人ひとり異なる”体系づくりをめざしてきた。「一律では育てたくない」。取り組んできた全ての施策には、江原氏のこの想いが生きている。

人事の職場拝見! 第41回
巻き込み型教育で当事者意識を刺激
お客さま志向を生む経営理念の共有

人は財産であり、教わる側と教える側が共に学び、人の成長が会社の成長となって共に育つ、「人財共育」。牛たん専門店「ねぎし」を運営する、ねぎしフードサービスが掲げる教育方針だ。経営理念の共有と巻き込み型の店舗共育44により、「お客さまの笑顔と満足」を実現する同社の取り組みを紹介する。