月刊誌『人材教育』2014年07月号

従来日本企業は、若手が一人前になるまで、職場で面倒を見てきたものだ。だが昨今、現場にその余裕はない。
それはどの企業でもわかっていることだ。にもかかわらず、即戦力を求めるあまり
早期に新入社員を現場に配属し、教育を現場任せにしたままではないだろうか。
しかも現代は企業力を高めるために、採用した新入社員全員を徹底的に育て上げなければならない時代になっている。
そこで人材開発部に求められることは、自社で身につけるべき能力は何かを明らかにして現場に示すこと、
OJTが機能するような仕組みをつくることである。これらを踏まえて本特集では、
3つの視点――じっくり時間をかけた教育、どのビジネスでも求められる基本を押さえた教育、
そして人事と現場の協力体制の下に行われている教育を紹介し、若手の育成を再考する。

めざせ☆経営型人事 書籍に学ぶビジネストレンド 第16回
これからの人材に必要な「起業家」マインド

ビジネスのトレンドを知っておくことは、経営や人材を考えるビジネスパーソンにとって必須である。本連載では、データバンクに勤め、1日1冊の読書を20年以上続けてきた、情報のプロが最新のビジネストレンドと、それを自分のものにするためのお薦めの書籍を紹介する。

巻頭インタビュー 私の人材教育論
くまモンを大きく育てた怒らないリーダーシップ

今や押しも押されもせぬアイドルスター、くまモン。 人気の秘密は赤いほっぺの愛らしいルックスと、「利用料無料」という巧みな仕掛けだ。 1200億円以上の経済効果を生んだだけでなく、実は組織改革上も重要な役割を果たしているという。 その立役者は、蒲島郁夫知事だ。 高校卒業後に単身、渡米し、農業研修生などを経てハーバード大学大学院へ。 さらに元・東京大学教授という、異色の経歴を持つ知事は、くまモンと共に、どのように組織を、人を変えていったのか。

特集
人材市場が世界に拡がるグローバルタレントマネジメント

グローバル競争と共に、優秀な人材の獲得競争もますます激しくなっている。 そうした中、企業は自社の人材が能力をフルに発揮できるように、採用・適材適所の配置・個々の能力開発・評価・後継者育成などの人材マネジメントのプロセスを改善して、企業としての生産性を高めていかなければならなくなっている。 特に日本企業が今、取り組まなくてはならないのは、業績や成果に貢献できる人材がどこにおり、その人やその次の候補者をどう育成していくのかを、世界規模で把握し計画、実行していくことだ。 現在該当する人がいないのなら、外部から確保しなくてはならない。 本特集では、そうした「グローバルタレントマネジメント」とはどんなことを行うことなのかを再確認し、その具体的な方法や課題の乗り越え方などを、オピニオンと先進事例の知見から解き明かしていく。

OPINION 1 総論 タレントマネジメントとは
仕事と社員の見える化でキーポジションを担う人材が育つ

定義のわかりにくいグローバルタレントマネジメント。 その真の狙いは、競争優位の源泉となるキーポジションを担う人材の発掘、育成にある。 では、人事はどう対応すべきなのか。 日本型人事制度とうまく両立するには。 法政大学大学院 石山恒貴教授に聞いた。

OPINION 2 「タレントマネジメント」は一面でしかない
次の社長を発掘し育てるには泥臭い関わりと仕組みが必要

日本鋼管や日本GEで人事の要職を務めた八木氏は、「『タレントマネジメント』だけを人事の一機能として取り上げることに意味はない」と語る。 その真意と共に、LIXIL 流のリーダー人材の発掘と育成はどのような枠組みになっているのかについて聞いた。

OPINION 3 アジャイル(俊敏)な人事をめざせ!
「人と制度」のマネジメントから「成果」のマネジメントへの転換

「人材のグローバル化」と言われて久しいが、グローバル化を面のひろがりと捉えた時に、辺境の地はあまり残されていない。 今後は、「人材を海外へ送り込む」だけではなく、「人材の質を高めて成果を出す」ことがグローバルタレントマネジメントの主眼となってくるのではないだろうか。 グローバルにおける人材マネジメントをさらに磨き上げるポイントについて、多くの国内外企業のグローバルリーダー育成にかかわる戦略コンサルタントが語る。

CASE.1
日産自動車
日産流グローバルTMの変遷・方法とは

海外売上比率が85%にのぼるという日産自動車。そのグローバルタレント(人財)マネジメントは、どのような事業戦略・組織戦略のもと、いかなる仕組みで運用されているのか。日産の後継者発掘育成の最高意思決定機関、ノミネーション・アドバイザリー・カウンシル(NAC)に、人財発掘役である初代「キャリアコーチ」として参加し、現在はグローバル人財育成の責任者を務める奈良崎修二氏にうかがった。

CASE.2
日立製作所
困難を乗り越えるのはグローバルメジャーへの意識

V字回復を成し遂げた日立グループ。その原点は2011年に策定した「グローバル人財マネジメント戦略」だ。「グループ・グローバル」をスローガンに立ち上がった新たな人財育成とは。世界の強豪と渡り合い、勝てる経営リーダーをどう選抜、育成するのか。日本発・日立製作所発を脱却した、新生グローバル企業への革新を取材した。

TOPIC 日本のタレントマネジメント実態調査報告
日系企業はタレントマネジメントをどう捉え、活用しているか

ASTDインターナショナルネットワークジャパン タレントマネジメント委員会では、2011年からタレントマネジメントに関する日本の実態調査を実施した。 それは、グローバル化をめざす日本企業のタレントマネジメント施策の現状について6業種8企業に聞き取り調査をしたもので、去る2014年5月14日、東京都内で同委員会委員長の石山恒貴氏(法政大学大学院教授)が報告した。その一部を紹介する。

赴任先での最高のパフォーマンスを引き出すHQのグローバル人材育成プログラム

日本企業が行うグローバル人材教育の多くは、人材の選抜や赴任前の準備に重きが置かれ、赴任後のパフォーマンス向上に寄与するものがほとんどないのが実情である。そうした中、赴任後の早期戦力化プログラムを提供する企業がヒューマンクエスト(以下、HQ)だ。代表取締役の大西みつる氏は、かつて社会人野球の監督を務め、大手自動車メーカーの人材開発において日米のリーダー育成を推進してきた異色のコンサルタントとして注目されている。今回、大西氏と同社取締役の小仲ワードウエル京子氏に、グローバル人材育成の要諦についてお話を伺った。

従業員が自らの能力を存分に発揮できる環境を実現する今後のHRシステムの姿とは

人事データベースにタレントマネジメント機能が加わり、ITの発展と共に進化してきたHR システム。今や従業員の育成や活用に不可欠の存在だが、HRソリューションを提供するサムトータル・システムズの平野正信氏は、「従業員が能力を存分に発揮できる環境を実現するには、HRシステムはさらに進化する必要がある」と語る。HR システムは、今後どのような方向に進化していくのだろうか。

6つのリーダーシップのスタイルを伸ばし組織風土の醸成
~業績向上につなげる

世界有数のコンサルティング会社として知られ、日本でも35年以上の歴史を持つヘイグループ。リーダーシップ開発は同社の得意とするところであり、当然、グローバルでのリーダー育成にも詳しい。今回、同社の原口裕美氏に世界で活躍するリーダーに求められるリーダーシップについて、そして、それをどのように組織の業績の向上に結びつけるのか、お話を伺った。

タレントマネジメントの必須要件は「単一のプラットフォーム」による各機能のシームレスな連携

タレントマネジメントの実現に欠かせないITシステム。さまざまなベンダーがタレントマネジメントシステムを提供する中で、他社にはない特長で注目を集めているのが、米国発のクラウド型サービスを提供するコーナーストーンオンデマンドだ。その特長について、2013年7月に設立された日本法人社長の坂東治忠氏に聞いた。

全社員参加型企業内大学「Toshiba e-University」の取り組み

人財育成の施策の1つとして導入する企業が増えている企業内大学。それをいち早く実施し、約11年間にわたり運用しているのが東芝ソリューションの「Toshiba e-University」だ。今回、Toshiba e-Universityの開発の経緯と、その活用方法について、同社の小野 慎一氏、真野 広氏にお話を伺った。

修了生・在学生に聞く女性のキャリアにおけるMBAの有効性

女性の社会進出が進む中、自らのキャリアをより高めようとMBA取得をめざす女性が増えている。実際にMBA取得は、女性のキャリアにどう役立っているのだろうか。働きながらMBA取得をめざす女性が多く通う中央大学ビジネススクールの露木恵美子教授と女性の修了生・在学生に、女性のキャリアとMBAについて話を聞いた。

グローバルビジネスに不可欠な「経営的視点を持った知的財産のプロフェッショナル」を育成

ビジネスのグローバル化が進展する中で、企業の競争力を高めるためには、特許・商標・意匠などの知的財産を戦略的に活用することが、ますます重要になっている。こうした状況を踏まえ、東京理科大学は知財に関する専門職大学院を2005年に開設。以来、実践的な教育を通して、国際的に通用する知財プロフェッショナルを多数輩出している。同学の教育の特徴などについて、教授の荻野誠氏に聞いた。

調査レポート
2013年度 ワークスタイル実態調査
ワークスタイル変革のカギは、組織運営スキルの向上にあり

ICTの進展とスマートデバイスの普及拡大と共に、「ワークスタイルの変革」が語られるようになって久しい。しかし、現場で変革の動きがどの程度進んでいるのか――それが感覚的ではなく、定量的なデータを起点として語られる場面は意外と少ない。そこで、デロイトトーマツコンサルティングヒューマンキャピタルは、2013年10~11月、企業側の立場から多角的な観点でワークスタイルに関する調査を行い、132社から回答を得た。従来の働き方を変えることに対する企業側の本音とは。調査結果の一端を紹介する。

船川淳志の「グローバル」に、もう悩まない! 本音で語るヒトと組織のグローバル対応 第3回
多文化社会で何が本当に求められるのか?

多くの人材開発部門が頭を悩ませる、グローバル人材育成。 グローバル組織のコンサルタントとして活躍してきた船川氏は、「今求められているグローバル化対応は前人未踏の領域」と前置きしたうえで、だからこそ、「我々自身の無知や無力感を持ちながらも前に進めばいいじゃないか」と人材開発担当者への厳しくも愛のあるエールを送る。

ワンワード論語 第23回
「位」

組織にいて、「位」──役職を一切気にしていない人はまずいません。 組織人の私たちを惑わせ悩ませる「位」について学んでおきましょう。

社労士に聞く“職場あるある” 管理職のもやもや解決 第16回
「休憩時間が長い?外回りの営業」

円滑な職場運営は管理職の重要任務の1つ。けれども、さまざまな人が集う職場では日々問題が起こります。中には、手を出しにくいデリケートな問題も。かといって、放っておくと大事に発展することもあります。どうすべきか、もやもやと悩んでしまう管理職も多いことでしょう。ここでは、社労士のところによく持ち込まれる管理職の悩みをピックアップ。人事にも把握しておいてほしい、解決方法を紹介していきます。

人材教育最前線 プロフェッショナル編
環境と経営の変化に呼応する戦略的人材マネジメントへの歩み

資源・エネルギー分野から社会インフラ、航空・宇宙関連まで幅広く製品と技術を提供するIHI。その人材育成はグローバル化のさらなる加速と共に大きな転換点を迎えている。2013年、グローバル、グループ、ダイバーシティをキーワードとする「グループ人材マネジメント方針」を打ち出し、「求める人物像」を明文化。その立役者でもある人事部長の長野正史氏は「全ての人事施策のベースはこの方針と人物像にある」と語る。改革の舵を取る長野氏がめざすのは、経営方針に並走する成長戦略的人材マネジメントである。

eラーニングライブラリ®の新コース「食の安心・安全を守るコンプライアンス 食品表示偽装編」が開講

日本能率協会マネジメントセンターが提供するeラーニングライブラリ(以下、JMAM、ライブラリ)は、全139コースが「定額で1年間学び放題」というシステムが好評で、導入企業数が右肩上がりで伸びている注目のサービスだ。新コースも続々と開発中で、さらにラインナップを充実させている。今回、注目の新コース「食の安心・安全を守るコンプライアンス食品表示偽装編」を開発したJMAM e-ラーニング事業本部の阿部洋一氏にお話を伺った。

人事の職場拝見! 第42回
個々のリーダーシップ力を高めるコミュニケーションを通じた共有と共感

“柔軟性とコミュニケーション能力があり、何事にも前向きにチャレンジする人材”を求めるフォッシル ジャパン。その人材育成には、個人のステップアップと同時に職場のコミュニケーションを生み出し、さらに組織を活性化させる、三位一体の仕組みがある。