月刊誌『人材教育』2014年12月号

企業は規模が大きくなるにつれ、分業が進み、 そこで働く人たちは自部門や個人の目標達成に焦点が当たることで、 どうしても全社的な視点でビジネスを捉える意識が弱くなりがちになります。

また、今の日本は自ら商売をしている人が1割程度である社会に変わっていること、 事業を興す場面を目の当たりにすることが少なくなったことなどから、 企業人のビジネス観が「商売をする」というのではなく、 「会社で働く」という意識が強くなっているきらいがあります。

このことで、経営を担う一員であるとの責任感も薄くなり、 「今ある役割をこなせばいい」との意識に陥ることになりかねません。 そうした考えを防ぐには、今一度、働く人たちが経営を担う一員であるとの意識づけが必要だと考えます。

そこで焦点を当てたのが「商才」です。

現代の日本のビジネスの礎を築いた老舗企業や、 社員一人ひとりが経営マインドを持つことを標榜している全員参加型企業の経営などから、 「ビジネスパーソンが身につけるべき基本とは何か」を 「商才」というキーワードから解き明かしてみたいと思います。

めざせ☆経営型人事 書籍に学ぶビジネストレンド 第21回
気がつけば定番スキル その3「時間術」編

ビジネスのトレンドを知っておくことは、経営や人材を考えるビジネスパーソンにとって必須である。本連載では、データバンクに勤め、1日1冊の読書を20年以上続けてきた、情報のプロが最新のビジネストレンドと、それを自分のものにするためのお薦めの書籍を紹介する。

巻頭インタビュー 私の人材教育論
自立した個を尊重する組織と人事のあり方

データベースで世界シェアナンバーワンを誇るオラクルは、クラウドでも世界一をめざす戦略を打ち出している。 新しい戦略の実現には、どのような人材が求められるのか。 また、その育成方法とは。 2014年4月に日本法人のトップに就任した杉原博茂氏に方針を聞いた。

特集 ビジネスの基本を育む
商才を考える

企業人のビジネス観はいつ頃からか、「商売をする」意識から「会社で働く」意識へと変化してしまった。 組織の経営を担う一員としての責任感も薄れつつある。 しかし、そもそも日本企業には昔から脈々と受け継がれてきた「商才」育成があった──。一人ひとりが経営マインドを持ち、顧客満足を高め、誇りと成長実感を得ることのできる「商人道」とは。 その哲学・原則と実践事例を紹介しよう。

OPINION 1
今、ビジネスパーソンに必要な「商才」とは
まじめなだけでは生き残れない!成長企業を支える4つのキーワード

「戦後最大の商売人」と呼ばれた江副浩正氏の薫陶を受け、企業の成長をサポートする秋山進氏。 逆境に負けない組織には、必ず商業的センスが満ちていると言う。 右肩上がりに業績を伸ばす日本一の豆腐メーカーを例に、組織人として身につけるべき「商才」の本質をあぶり出す。

OPINION 2
商人哲学の基礎となった石田梅岩の「石門心学」
「正直に」儲けて社会を豊かにするのが商人の使命

江戸時代、商人の存在意義と社会的使命を根底から考え抜き、「先も立ち、我も立つ」「正直に儲ける」を基本とする商人哲学を打ち立てた石田梅岩。 お金の役割や消費の論理など、その現代的思想は今や世界でも注目され、ビジネスパーソンの仕事に確たる根拠と自信を与えている。

CASE.1 三井物産人材開発
理念教育で「士魂商才」を浸透させる
全社員に歴史と理念の共有を商才を「つなぐ力」で総合力に

江戸時代にルーツを持つ三井物産では「士魂商才」を旨とする経営理念を掲げている。 「国づくり」という高い志、「士魂」と、それを実現するための「商才」を人材育成の柱とする同社。 カギは社員一人ひとりの「個」の力、そして会社全体の「総合力」だ。 グローバル規模で研修を行い、「人の三井」を実践する同社の理念教育、そしてつながる力の育成法とは。

CASE.2 セブン&アイ・ホールディングス
ビジネスでベストの判断を下す能力
「顧客の立場」を考え抜け
―セブン-イレブン・ジャパンの商才教育

入りたての高校生アルバイトも絶妙な発注センスを発揮し、売り上げに貢献するというセブン- イレブン・ジャパン。 その独自の人材育成システムは、鈴木敏文代表取締役会長・CEOの「顧客の立場に立ち続ける」という独自の商人哲学から生まれた。 同社の取材を数多く重ねてきたジャーナリスト・勝見明氏に、その育成の本質を聞いた。

CASE.3 メーカーズシャツ鎌倉
「全ての行動をお客様のために」が商人道の原点
“放牧型”権限委譲と
“お客様が教育係”の施策で
お客様の利益を考える人材を育てる

「商才」ではなく「商人道」の追求にこだわるメーカーズシャツ鎌倉。 「商才」にはお金を効率よく儲ける印象があり、「商人道」には人の役に立つための道との考えがあるためだ。 率先垂範して「商人道」を貫く創業会長の思いは、どのように社員に伝わっているのか。

Column
江戸時代の商人道に学ぶ
近江商人、伊勢商人、大坂商人、富山商人の心得とは

日本企業には、伝統的にビジネスと倫理観とを両立させてきた会社が多い。 例えば、パナソニックの創業者、松下幸之助は、昭和4 年に次のような綱領を制定している。 「営利と社会正義の調和に念慮し 国家産業の発達を図り 社会生活の改善と向上を期す」。 この頃の松下電器製作所は従業員300人程度だったが、すでに社会貢献という高い理想を掲げていた。実はこの話にはちょっとしたいきさつがある。 当時、事業が成功しつつあった同社の税金申告額は、年々増える一方だった。 不審に思った税務署はある日、工場を調べに行くと連絡をよこした。 「正直すぎて損をしているのではないか」。二晩眠らず悩みぬいた幸之助は、こんな結論を出した。 「金は全て国からの預かり物にすぎない。必要なだけ取ってもらえばいいのだ」と。 儲けと社会貢献。一見、二律背反するようだが、「利益ばかり追求せず、正しく商売を行って社会に奉仕すべし」と社訓に謳う企業は少なくない。 そうすれば結果的に取引先や従業員、会社が豊かになる、と彼らは説く。 その哲学の源流は、江戸期に活躍した近江商人や伊勢商人、富山商人らの精神にある。 そこでこのコラムでは、彼らが活躍した江戸時代にさかのぼり、歴史をひも解いてみることにしたい。

特別レポート
「グローバル」「女性」テーマの研修が好調
施設貸し各社は独自色の強化に注力

企業向け研修サービス市場は、震災からの回復という段階を抜け、緩やかな成長の段階にシフトしてきている。市場を牽引する研修のキーワードは「グローバル」と「女性」だ。そうした中で、研修施設・貸し会議室などを提供する研修施設貸し各社は、設備の充実に代表されるハード面はもちろん、サービスの質を高めるソフト面の充実に注力し、他社との差別化を図っている。今回、研修サービス市場の最新動向についてレポートする。

国立の宿泊室つき
総合研修施設を低価格で利用できるチャンス

独立行政法人 国立女性教育会館(以下、NWEC)は、我が国唯一の女性教育に関するナショナルセンター。男女共同参画推進機関や担当者を支援し、情報収集や提供、教育機会の提供を行っているが、その優れた研修施設や宿泊施設を企業や一般に広く開放していることは意外と知られていない。今回、NWEC の研修施設について、同館の事業課長である桜田今日子氏にお話を伺った。

中原淳の学びは現場にあり! 第28回
70代のベテラン職人と20代の若手職人が共に働く
銀座のテーラーメイド職人たちの学び

21世紀を生きる我々にとって、洋服は大量生産された製品から選んで「買うもの」ですが、数十年前まで、特にスーツは、テーラーで「仕立てるもの」でした。 しかし、既製服の普及により、職人の数も減少、高齢化が進んでいます。 そうした中、手縫いでスーツを仕立てる伝統的な技術を残そうと、若い職人たちを育てる銀座テーラーを取材しました。

船川淳志の「グローバル」に、もう悩まない!
本音で語るヒトと組織のグローバル対応 第8回
「4.0の英語力」への道(その2)

多くの人材開発部門が頭を悩ませる、グローバル人材育成。 グローバル組織のコンサルタントとして活躍してきた船川氏は、「今求められているグローバル化対応は前人未踏の領域」と前置きしたうえで、だからこそ、「我々自身の無知や無力感を持ちながらも前に進めばいいじゃないか」と人材開発担当者への厳しくも愛のあるエールを送る。

負けないマネジャーのための孫子 第3回
「判断基準」に関する教え

判断で後悔しないためには、自分の性格を参考にしたうえで、その事柄のメリット・デメリットを意識することが必須です。

社労士に聞く“職場あるある”管理職のもやもや解決 第21回
「メンタル不全社員の対応」

円滑な職場運営は管理職の重要任務の1つ。けれども、さまざまな人が集う職場では日々問題が起こります。中には、手を出しにくいデリケートな問題も。 かといって、放っておくと大事に発展することもあります。 どうすべきか、もやもやと悩んでしまう管理職も多いことでしょう。 ここでは、社労士のところによく持ち込まれる管理職の悩みをピックアップ。 人事にも把握しておいてほしい、解決方法を紹介していきます。

人材教育最前線 プロフェッショナル編
武道の極意もヒントに日本一の橋と人づくりを伝承

橋梁をはじめとする大型構造物や建築物の設計から、部材の製作、建設までを行う横河ブリッジ。本州四国連絡橋やレインボーブリッジなど、名だたる橋を建設した実績を持つ。その横河ブリッジ他8社の持株会社として2007年に設立された横河ブリッジホールディングスで人事部門の責任者を務めているのが、髙木清次氏だ。合気道歴35年という武道家としての顔も持つ髙木氏に、世界トップクラスを誇る橋づくりの技術を伝承していくための人材育成はどうあるべきか、また、武道の精神を仕事にどう活かすかについて、伺った。

ライブラリで秋田県職員の自己啓発を活性化

秋田県職員の能力開発研修を担う秋田県自治研修所。県職員の指定研修および応募研修は、教務班が企画・実施をしており、約3000 人の能力開発と、市町村職員研修の企画・実施も担当している。同所では、役職段階別の指定研修や職員が自発的に受講できる応募研修と併せて、日本能率協会マネジメントセンターの「JMAM e ラーニングライブラリ」(以下、ライブラリ)を導入。県職員へ幅広い学習機会を提供している。同所のライブラリ活用法について、教務班の田澤毅氏、渡辺美伸氏にお話を伺った。

人事の職場拝見! 第47回
キッコーマンビジネスサービス
大きな“組織活性化”
めざすのは会社の垣根も越える

しょうゆをはじめとしたしょうゆ関連調味料、食品、デルモンテ製品、マンズワイン、豆乳飲料、バイオ研究開発など、多彩な事業を展開するキッコーマングループ。その人事・研修業務を束ねるキッコーマンビジネスサービス人事部 東京人事グループ人事チームでは、グループのシナジーを高める環境づくりに取り組んでいる。