月刊誌『人材教育』2015年08月号

今月号の特集は「女性活躍時代の『セカンドキャリア』」です。

「アベノミクス」の成長戦略として大きく打ち出されている女性活躍推進。
2010年6月には「改正育児・介護休業法」も施行され、
育児休業、短時間勤務などの制度が広く定着しつつあります。

一方、懸念されるのは、育児休業から復帰した女性たちのキャリアです。
「責任のない仕事しか任されない」「昇進、昇格が期待できない」
といった不満からモチベーションが下がり、離職する人も少なくありません。

職場においてかけがえのない戦力となっているミドル女性たち。
彼女らの「出産後のキャリア」を共に考え、
支えることは企業にとって喫緊の課題ではないでしょうか。

そこで本特集では、“ライフイベント後も活躍してもらうため”の女性のキャリア開発をテーマに取り上げます。
ライフイベント前にどのようなキャリア教育、ジョブアサインを行うべきか。
また復帰後、どのように受け入れるのか。有識者の見方や先進事例を紹介します。

人材教育 The Movie ~映画でわかる世界と人~ 第34回
「スニーカーズ」川西玲子氏 時事・映画評論家

「スニーカーズ」 1992年 アメリカ 監督:フィル・アルデン・ロビンソン

めざせ☆経営型人事 書籍に学ぶビジネストレンド 第29回
最近の「大学事情」を知る

ビジネスのトレンドを知っておくことは、経営や人材を考えるビジネスパーソンにとって必須である。 本連載では、データバンクに勤め、1日1冊の読書を20年以上続けてきた情報のプロが、最新のビジネストレンドと、それを自分のものにするためのお薦めの書籍を紹介する。

巻頭インタビュー 私の人材教育論
日本一待遇がいい企業には
「常に考える」仕組みがある

岐阜県に本社を構える未来工業は、今年創業50年を迎える。 電気設備資材の製造販売から始まり、現在ではガスや水道設備資材の製造販売にも携わる。 現在、同社を指揮するのは創業社長の息子で4代目社長となる、山田雅裕氏だ。 山田氏は、歴代社長が社是として守ってきた「常に考える」を引き継ぎ、自らも実行する。 同時に、社員の働きやすさに配慮した制度や職場づくり―残業禁止、日本一長い休暇、70歳定年制、県最高クラスの給与水準など―を続けてきた。 50年間赤字ナシという驚異の経営の背景には、どんな秘訣があるのか。 同社の人材観と人材活用、組織づくりについて聞いた。

特集
ライフイベントと共に輝くために
女性活躍時代の「セカンドキャリア」

女性の年齢階層別の労働力率を表す「M字カーブ」。20代半ばと50 代前後という2つのピークがあることから、こう名づけられた。 内閣府の調べによると、M字の最初のピーク、25歳以降で正規雇用の減少が見られるという。結婚、出産などライフイベントを迎えることで、離職したり、非正規社員になったりするケースはいまだ後を絶たないようだ。 最初のピーク時は充実したキャリアを歩んでいても、後半のピーク時には存分に能力を発揮できていない─M字カーブには表れていないものの、そんな女性がいかに多いか想像がつく。 単に労働力を維持し、M字の谷間を浅くすればよいわけではない。キャリアの後半においても女性が輝くために、私たちは何を変え、何を始めればよいのだろう。 本特集では、女性のライフイベント後のキャリアを「セカンドキャリア」と位置づけ、3 名の識者、3 社の先進的企業に話を聞いた。 そこから見えてきたのは、 ライフイベント前の育成  男女双方の意識改革  という2つのカギだ。 単に「育児と仕事を両立しやすい環境づくり」を進めればいい時代は終わった。次のステップは、女性のモチベーションをどう引き出し、スキルアップを支えるかである。 順に見ていくことにしよう。

OPINION1
世代ごとにアプローチを変えた活躍推進
「長く働ける」「ステップアップできる」仕組みを

ライフイベント後の女性のキャリアが問題になっている。 「寿退社」という言葉が死語となりつつある今日だが、女性たちの意欲や能力を、活かしきれていない企業も多い。 出産、育児による離職を食い止めると共に、チャレンジを促すためにどんな働きかけが必要なのか。 働く女性のための雑誌『日経ウーマン』の元編集長であり、女性活躍推進に詳しい日経BP社 日経BPヒット総合研究所長・執行役員 麓 幸子氏に聞いた。

OPINION2
選択肢は短時間勤務だけではない
働き方の自由度を高めればキャリアと育児・介護の両立は可能

短時間勤務制度を利用すれば、仕事と育児・介護の両立は可能になるが、責任ある仕事を任せてもらえなくなり、キャリアの面で不利になりがちだ。 女性活躍の問題に90年代後半から取り組んできた英国、ドイツでは、働く時間を減らすのではなく、働き方の自由度を高めて両立を図る試みが進んでいる。 数年にわたり、両国の実態を調査してきた法政大学の武石 恵美子教授が、欧州の実情と日本がめざすべき方向性について語る。

OPINION3
男性中心の組織はこうすれば変わる
成果を公正に評価し、暗黙知を共有する

従来、日本の企業では、出世しようとすれば深夜残業と飲みニケーションが欠かせなかった。 同じ公式を育児中の女性にあてはめられるだろうか? もちろん、答えは「ノー」だ。残業しなくても、飲み会に出なくても、女性がキャリアアップできるような制度づくり、組織づくりとは。 女性活躍やダイバーシティ・マネジメントなどに詳しい塚田聡氏が解説する。

CASE 1 資生堂
誰もがキャリアパスを描ける仕組みに
「女性に優しい企業」から
「もっと、ずっと活躍できる企業」へ

女性リーダー比率30%が目前に迫る資生堂。 女性活躍に関する各種のアワードを受賞するなど、先進的な取り組みは注目の的だ。 すでに「育児をしながら仕事が継続できる」というステージは終わり、「男女ともにキャリアアップ」をめざす第3のステージを迎えているという。 同社が進める新たな風土づくりとは。

CASE 2 キリン
「仕事の経験値」の男女間格差を解消
ライフイベントを見据えた前倒しのキャリア形成

結婚または出産後に退職する女性と、働き続ける女性の最大の違いは、ライフイベント前の成長実感にあった── キリンでは女性従業員を対象に早い段階で多くの業務経験をさせる「前倒しのキャリア形成」という概念を導入。 女性の離職抑止や休暇復帰後のキャリア開発に備えている。 その目的や狙いとは。

CASE 3 カルビー
自ら手を挙げる女性が増えていく
挑戦できる土俵を整え、仕組みと理解で支える

「3年後のキャリアが思い描けますか?」 この質問に対し、「描ける」と回答した女性はほぼ10人に1人だった― そんなカルビーが大きな変化を遂げている。 時短勤務役員が登場したばかりでなく、時短勤務の従業員が独自チームを立ち上げるなど、幅広い層で女性が輝く、同社の取り組みとは。

キャリア開発支援のプロに聞く
女性活躍推進のトレンドと対応策

女性活躍推進は組織全体に関わるテーマだけに、具体的にどこから着手すればいいのか、悩みを持つ企業は多いのではないだろうか。社員のキャリア自律・開発支援を主軸とした研修サービスを提供するライフワークスでは、2007 年から女性活躍推進支援に取り組み、豊富な経験と実績を持っている。同社のコンサルタント、藤田香織氏と野村圭司氏に、女性活躍推進の傾向や取り組み方のポイントなどについて聞いた。

会社の枠を超えて
働く女性同士が悩みを共有し
自身のキャリアを見つめ直す機会を

女性の活躍を推進するためには、社内に制度を用意するだけでなく、女性社員が自らのキャリアを見つめ直す機会を提供することも必要ではないだろうか。そのための場として、日本能率協会マネジメントセンター(JMAM)の公開コース「JMAM ビジネスカレッジ」では、女性社員限定キャリアデザインコース「女性ロールモデルから学び[なりたい自分]を見つけるコース」(略称HTK塾-W)を開催している。同コースで基調講演を担当するキャプランの髙津美咲氏に、自身の経験を踏まえた女性のキャリアの考え方について聞いた。

ダイバーシティコースの導入で女性活躍推進を垂直立ち上げ!
デンソー事例

先進的な自動車技術、システム・製品を提供するグローバルな自動車部品メーカー、デンソー。 同社は、女性活躍の推進に日本能率協会マネジメントセンターが提供する「e ラーニングライ ブラリ®」(以下、ライブラリ)を活用している。 今回、同社DP‒ ダイバーシティ推進室の北村雅美氏、下上貴子氏に、ライブラリの活用法についてお話を伺った。

個を知り、個を活かす 
~アセスメントを活用したキャリア開発~
コーセル事例

電気・電子機器で使われる直流安定化電源の専業メーカー、コーセル。昨年度、同社は社員のキャリア開発支援の新たな取り組みを開始した。新入社員から50 代の社員までのキャリア研修を体系的に整備し、各年代に合わせたアセスメントの導入とその活用を始めたのである。アセスメント~キャリア研修~フォロー面談をセットにして、個人の成長を支援している。今回、同社総務部人財開発課の日下善雄氏、大坪晴樹氏に、キャリア開発の考え方とアセスメント・ツールの活用法についてお話を伺った。

連載 中原 淳の学びは現場にあり!  第32回
失敗の許されない手術をどう学ぶのか
手術のリハーサルで外科医を育成
検証現場『筑波大学 医学医療系 消化器外科』

今、外科医の減少が進んでいます。20年後には手術をする外科医は現在の3分の1になるとも予測されています。従来のように若手が経験を積み、一人前になるのをただ待つわけにはいきません。 テクノロジーの力でベテランの「ゴッドハンド」を再現し、若手を育成する筑波大学の試みを取材しました。

負けないマネジャーのための孫子 第11回
組織崩壊を招く言動への戒め

組織の崩壊は、リーダーの問題ある言動によって引き起こされることが多々あります。 それを戒める教えです。

社労士が斬る
イマドキお悩み相談
第5回 部門横断プロジェクトの時間管理と評価

働く人の価値観の多様化から「働き方」も変化し、現場の管理職の悩みも“イマドキ”なものになってきています。 そんなイマドキな悩みの解決方法を、社労士の藤原先生が紹介します。

常盤文克の「人が育つ」組織をつくる
第2回 量と質から日本的経営のよさを考える

「量より質」「デジタルからアナログへ」などと言われる時代です。今、よき暮らしを実現するために私たちは何を見つめればよいのでしょうか。元・花王会長の常盤文克氏が、これからの日本の企業経営と、その基盤となる人材育成のあり方について、提言します。

人材教育最前線 プロフェッショナル編
企業の発展を支えるのは
社員一人ひとりの感動を伴う気づき

「自らの気づきによって得られた学びこそが本当の成長につながる」。 NECネッツエスアイ執行役員の坂梨恒明氏が人材育成施策を企画するうえで重視するのは、一方的に知識を詰め込む教育にしないこと。自発的に考え、“ そうか!”という感動をもって得られた学びこそが身につくと考えるからだ。チームでも、1つの目的を達成する場を設定すれば、自然と課題は何かを考え、解決するための工夫が生まれる……。そうした機会をどれだけ与えられるかという「個の能力を企業発展の力に変える育成」を追求している。

人事の職場拝見! 第54回 ワタキューセイモア
専門施設と全寮制、徹底した育成メニュー
礼を教え、あり方を問う1年間の新人研修

ワタキューグループは、医療施設や介護施設に対して、リネンサプライや給食の提供を始め、あらゆる業務をサポートしている。人材育成を大切にすることで成長を続ける同グループの秘密の1つは、丸1年もの時間をかけて徹底する新人研修にある。