月刊誌『人材教育』2015年12月号

今月号の特集は「イノベーションを育むワーク&ラーニングスペース」です。

働き方や人材が多様化する中、学習や仕事のスタイルは多様化しつつあります。
また、生産性向上から付加価値の創造へと、働く人々に求められるものも変化しています。

こうした時代、あらためて見つめたいのが空間デザイン。

実は人の働き方や学び方は、空間によって大きく影響を受けているからです。

人材開発と環境をめぐる識者の知見をはじめ、
最近、主流の「ABW(Activity Based Workplace)型」オフィス、
異質な知との交流が期待できるラーニングスペースなど、
先進的な事例の数々をご紹介します。

めざせ☆経営型人事 書籍に学ぶビジネストレンド 第33回
「出世学」を考える

ビジネスのトレンドを知っておくことは、経営や人材を考えるビジネスパーソンにとって必須である。 本連載では、データバンクに勤め、1日1冊の読書を20年以上続けてきた情報のプロが、最新のビジネストレンドと、それを自分のものにするためのお薦めの書籍を紹介する。

巻頭インタビュー 私の人材教育論
後継者育成の原点は 現場で命題を見つける目

通信教育「進研ゼミ」をはじめ、教育、語学、生活、シニア・介護など幅広い領域で事業を展開するベネッセグループ。 同グループがめざすのは、顧客一人ひとりの学びと成長を生涯にわたり支援することだ。 昨年、経営トップに就任したのが、アップルや日本マクドナルドで経営手腕を発揮してきた原田泳幸氏。 「お客様視点」の強化を軸とした変革を進める原田氏に、人材育成に対する考えを聞いた。

特集
イノベーションを育む ワーク&ラーニングスペース

実は、働き方や学び方は、「空間」によって大きく影響を受けている。 自分のいる場所次第で人はより心地良さを感じ、よりアクティブになれる。 集中力が高まったり、誰かと交流したり、刺激し合ったりする。 場のデザインを工夫することで、イノベーションを創発することは可能なのだ。 より付加価値を高める仕事、学びはどんな空間で生まれるのか。

OPINION1 作業の場から考える場へ
知的生産性を高める
新“ワークプレイス”の発想

イノベーションにはクリエイティビティが欠かせない。 それを喚起させるには、仕事空間にどのような条件が必要なのだろうか。 長きにわたり日本のオフィスデザインを研究し続ける、東京造形大学副学長の地主廣明氏が、日本のオフィスの現状と課題も含め語る。

OPINION2 スタートは経営戦略の理解から
環境設備や施策が生きる
ワークプレイスづくりのストーリー

日本のワークスペースは、欧米型を後追いするような形で進化を遂げてきた。 しかし、形式だけ取り入れても機能しないのは明白だ。 自社に最適なワークスペースをデザインするには。 グローバルレベルでオフィスデザインを手掛けるゲンスラーの天野大地氏に話を聞いた。

OPINION3 使う人の在り方をデザインする
クリエイティブに働くために
建築ができること

都会の高層ビルにある洒落たオフィス。 そこにはカラフルな什器やコミュニケーションスペースがある。 だが、最先端のオフィスさえあればイノベーションは生まれるのだろうか? 数々の独創的な建築で知られる手塚貴晴氏は、「建物だけでは変革は起こせない」と断言する。

CASE 1 日本ヒューレット・パッカード
仕事のしやすさを徹底追求
「カフェテリアも仕事場」
自律と協働を支える空間

東京・江東区にある日本ヒューレット・パッカード本社では、「環境を整えれば、社員一人ひとりが自然と良い仕事をする」という考えのもと、最新の設備と勤務制度の併用で社員の「仕事のしやすさ」を追求している。 社員の自律と、自在なコミュニケーションを実現する機能とは。

CASE 2 VOYAGE GROUP
「尖った空間」でカルチャーが際立つ
社員に「経営理念」を浸透させる
一貫性のある空間づくり

インターネット分野において事業開発を行うVOYAGE GROUPでは、お酒が飲める「AJITO」やストーリー性のある会議室など、社員の多様な働き方を支援するさまざまな空間を設けている。 何もないスペースに突如現れた「AJITO」はいかに社員に愛される空間になったのか。 その背景には、理念と空間をトータルに再設計するという同社の戦略があった。

CASE 3 バクスアルタ
企業理念を醸成する空間
「働き方革命」を起こす仕掛けづくり

新薬開発などをめぐってし烈な競争を展開する製薬業界。 バイオ医薬品のエキスパートとして革新的な治療法を開発するバクスアルタは、さらなるイノベーションとダイバーシティの促進をめざして斬新なオフィス空間を創出した。 そのコンセプトに迫った。

CASE 4 IHI
景観とデザインが学び合いを促す
交流が生まれ、
次世代リーダーが育つ宿泊型研修施設

2015年4月、IHIがオープンした人材開発交流センター「I-STEP湘南」。 「グループの理念・価値観を共有する場」「活発にコミュニケーションする場」「共に学び成長する場」の3つのコンセプトを実現する。 稼働半年間の成果、今後の課題とは。

Column “フューチャーセンター”では
なぜイノベーションが起こるのか

「フューチャーセンター」をご存じだろうか。 複雑な問題を多様な視点と対話によって、参加者の主体性を引き出し、迅速な実行に結び付け、“創造的に問題解決をするための場”のことである(富士ゼロックスによる定義)。 具体的にはどんな場所で、何が行われるのか。 ハードとソフト両面について取材した。

おわりに
思いのある空間は人の働き方、学び方を変える

オフィスや研修施設の空間に、新たな工夫が求められている。 もはや、職場は単なる事務作業の場ではなく、 ラーニングスペースは講師が一方的に話すための教室ではなくなっている。 より付加価値を生み出す働き方、学び方を可能にする空間とは―。 改めて特集の内容を振り返ってみよう。

特別レポート
研修サービス市場は堅調に推移
研修施設貸し各社はソフト面での差別化に注力

企業向け研修サービス市場は、景気の回復基調に伴い売上高ベースで堅調に推移している。大企業のみならず中小企業でも採用意欲が高まり、新人研修の需要が高まっていることに加え、2014 年度はマイナンバー制度関連の研修の需要が増加し、市場全体の拡大を牽引している。こうした中で研修施設貸し各社はサービス面の強化に注力し、他社との差別化を図っている。

「雑談」を増やして
職場の活性化を促す「5 TSUBO CAFE」

近年、社員の生産性や創造性を高める重要な要素として「雑談」が注目されている。部門や役職、世代を超えた交流が深まり、仕事がしやすくなったり、アイデアが生まれやすくなることが期待できるためだ。では、雑談を促すにはどうすればよいか。その方法として、オフィス家具・文具メーカーのプラスが提案するのが「5 TSUBO CAFE(ゴツボカフェ)」である。どのようなものなのか、プラス取締役 ファニチャーカンパニー プレジデントの北尾知道氏に聞いた。

連載 中原 淳の学びは現場にあり!  第34回
「命をつなぐお葬式」をつくる
エンディングプランナーを育む
学びの現場

枠にとらわれないオリジナル葬儀を提供し、葬儀業界の革命児として注目を集めている異色のベンチャー企業、アーバンフューネスコーポレーション。 同社では、多くの若手が、葬儀をお手伝いするエンディングプランナーとして活躍しています。遺族や参列者の心に残る別れの場をつくり出すエンディングプランナーたちは、どのように育っているのでしょうか。

負けないマネジャーのための孫子 第15回
組織の利害を一致させる教え

全体最適で行動する組織は強いもの。 しかし、自然にはそうはなりません。 手を打つ必要があります。

社労士が斬る
イマドキお悩み相談
第9回 性的マイノリティーの社員への配慮

働く人の価値観の多様化から「働き方」も変化し、現場の管理職の悩みも“イマドキ”なものになってきています。 そんなイマドキな悩みの解決方法を、社労士の藤原先生が紹介します。

常盤文克の「人が育つ」組織をつくる
第6回 人をイノベーションに向かわせるには

「イノベーション」を起こす人や組織を育むには、どのような働きかけが大切なのでしょうか。また、どのような関係を築けば良いのでしょう。元・花王会長の常盤文克氏が、これからの日本の企業経営と、その基盤となる人材育成の在り方について、提言します。

組織と個人の問題に効く!
心理学ミニゼミナール 第3回 疲労度を低減する方法

心理学の理論は、人事・人材開発の仕事にとって重要な手がかりです。 そこで、“使える”知見を、心理学ジャーナリストの佐々木正悟氏が解説します。

人材教育最前線 プロフェッショナル編
「うきうき・わくわく・いきいき」
こそ、成果につながる

2010年1月に経営破綻した日本航空。現場の若手社員たちの元気を取り戻そうと2012年から実施されている研修がある。年代別に「うきうき」「わくわく」「いきいき」と名づけられたその研修が、活気を取り戻す原動力となってきた。「『うきうき』会社に来て、仲間と働くことに『わくわく』すれば、『いきいき』と良い仕事ができるはず」と語るのは、研修の生みの親である板谷和代氏。自身も、一般職で入社しながら初の女性海外支店長となるなど、その言葉を体現するようなキャリアを築いてきた。

JMAM通信教育優秀企業賞 表彰企業事例報告 ファミリーマート
さまざまな場面で社員の
成長したい意欲を引き出す

「学ぶ風土」を醸成している組織に贈られる「通信教育優秀企業賞」。 今年1社目に紹介するのはコンビニエンスストアの雄、ファミリーマートだ。 その成長を支えるのが、同社が早くから取り組んできた自己啓発を教育施策の柱と位置づけた教育制度である。 主に通信教育の活用法と、人財開発にかける思いを伺った。

教育担当者発! 多様なツールで
ライブラリの利用を促進
石油資源開発事例

石油・天然ガス開発のリーディング・カンパニーとして知られる石油資源開発。「エネルギーの安定供給を通して地域社会への貢献を実現すること」を経営理念に掲げる同社は、社員のビジネス基礎力向上を目的に、日本能率協会マネジメントセンターが提供する「e ラーニングライブラリ®(以下、ライブラリ)」を導入している。今回、同社人事部 採用・人材教育グループの渡邉智子氏に、ライブラリの活用法についてお話を伺った。

人事の職場拝見! 第58回 東京計器
ヒューマンスキルと課題解決力向上で
新しい海域へ乗り出す組織づくり

日本初の計器メーカーとして100年以上の歴史を持つ東京計器。人が“育つ”組織への変貌に 向け、行動力と指導力を兼ね備えた人財の発掘と風土改革に挑む。