月刊誌『人材教育』2016年02月号

今月号の特集は「健康人材こそ企業価値の源泉」です。

少子高齢化を背景に労働人口は今後、減少の一途をたどります。
また、勤務しながらも不調を抱え、生産性を維持できない社員が増える「プレゼンティーイズム」も顕在化してきています。
昨年12月からはいよいよストレスチェックもスタートするなど、 今や健康問題は企業にとって重要な課題になっているといえるでしょう。

その一方で、あらゆる製品、サービスに付加価値が求められる時代が到来、「価値を生み出す社員=企業価値の源泉」と捉える潮流が生まれています。
求められるのは健康と活力を維持し、成果を生み出す人材づくり、そのための組織活性化なのです。

本特集では識者の知見、データから、健康経営時代にふさわしい人材マネジメント、育成を考察。
いち早く健康経営に向けて舵を切った企業の成功術、試行錯誤もご紹介します。

ストレスチェックの義務化を
チャンスと捉え
メンタルヘルス不調の予防体質強化を

ストレスチェックの実施が義務化されるなど、従業員のメンタルヘルス不調の未然防止が多くの企業にとって課題となっている。日本能率協会(JMA)グループのJMA ホールディングスメンタルヘルス研究所では、単に義務化対応としてストレスチェックを実施するだけではなく、これを機会として、組織の予防体質強化(いきいきと働ける組織づくり)に取り組むことを提案している。同研究所主任研究員の馬場裕子氏に、具体的な進め方やそのポイントを聞いた。

めざせ☆経営型人事 書籍に学ぶビジネストレンド 第35回
「整理術」とは

ビジネスのトレンドを知っておくことは、経営や人材を考えるビジネスパーソンにとって必須である。本連載では、データバンクに勤め、1日1冊の読書を20年以上続けてきた情報のプロが、最新のビジネストレンドと、それを自分のものにするためのお薦めの書籍を紹介する。

巻頭インタビュー 私の人材教育論
五感を研ぎ澄ます非日常体験で
全方位に気配りできる人を育む

関東でも知られるお好み焼きソースと言えば「オタフクソース」だ。 業界で初めて、お好み焼き専用ソースを開発した同社は、ソース市場が全体としては停滞傾向にある中でも売り上げを伸ばし、トップシェアを維持している。 そんなオタフクソース、他6社からなるお多福グループが、ものづくり企業として何より大切にしているのが“五感を使って人と向き合える”人づくりである。

OPINION1 カギはコラボ・ヘルスによるデータ活用
生産性を取り戻す
人的資本投資としての健康経営

出勤していても心身の不調で生産性が低下する、プレゼンティーイズムが問題になっている。 そこで注目されているのが「健康」と「生産性」を同時にマネジメントする「健康経営」だ。 超高齢社会を迎え、労働力の減少が懸念される日本で、生産性を確保するにはどうしたら良いか。 健康経営の調査研究の第一人者、尾形裕也氏に伺った。

OPINION2 経済学から見た健康の価値
何が長期休業率を上げるのか?
数字が語る“要因”

企業において従業員の健康を左右するものは何か。 それを調べるため、専修大学ネットワーク情報学部講師の河野敏鑑氏は、厚生労働省が発行する、全国約1500 の健康保険組合の月次報告を入手。 データを分析し、興味深い結果を導き出した。 経済学から見た企業ごとの健康状態、そして健康経営の意義とは。

OPINION3 人手不足時代を乗り切る
社員の「満足感」「達成感」を
高める“具体策”

大企業では少しずつ進められている健康経営だが、中小企業の経営者の約6割は 「健康経営」という言葉を聞いたことすらないというデータもある。 生産年齢人口が減少の一途をたどる現代、健康経営に目を向けなければ、 今後、「人手不足倒産」は企業規模を問わず加速するだろう。 健康経営に必須という、従業員の「満足感」「達成感」を高める具体策を聞いた。

CASE 1 フジクラ
データ分析に基づくブレない施策
経営課題を解決する
“活き活き”社風づくり

国内電線メーカーのフジクラでは、「健康経営」や「データヘルス」という言葉が世間をにぎわす以前より、経営課題解決のための社員の健康増進施策を進めてきた。 徹底したデータ収集・分析に基づく取り組みは、経済産業省や厚生労働省など、行政からも注目されている。 導入の背景や方針など、キーパーソンに話を聞いた。

CASE 2 三菱電機
継続は力なり!
会社、健保、労組の
「三位一体」+「現場」の総力戦

15年目を迎える三菱電機の健康経営の取り組み「MHP21」。 会社、健保、労組の三者が連携し、ゴールとデータを共有して進めてきた。 一方で具体的な活動内容は現場に一任する。 長年にわたり活動を継続し、成果を得られた秘訣とは。

CASE 3 コニカミノルタ
コラボ・ヘルスと
健康レベルに合わせた取り組み

経済産業省と東京証券取引所が2015年に発表した「健康経営銘柄」で、電気機器部門の初代銘柄に選ばれたコニカミノルタ。 同社では、人事部と健康保険組合のワンマネジメント体制により、一人ひとり異なる社員の健康状態に合わせた、きめ細かな運営を行う。 それを可能にする秘策とは。

Column「企業の力を掘り起こせ」
経産省に聞く“健康投資の効果”

2015年3月、「健康経営銘柄」22社が選定されたことで、一気にクローズアップされた健康経営。 ムーブメントの仕掛け人ともいえる経済産業省の狙い、そして今後の展望とは。

ストレスチェック
義務化の対策にも有効!
いま改めて注目される
産業カウンセラー

2014 年の労働安全衛生法の改正により、従業員50 名以上の規模の事業場にストレスチェックが義務化され、2015 年12 月1日から義務化が施行された。今後、企業はどのようにストレスチェックを実施し、実施後のメンタルヘルス対策に取り組んでいけば良いのか。こうした状況で改めて注目を集めているのが産業カウンセラーだ。日本産業カウンセラー協会 東京支部の椎名功氏、西田直子氏に、産業カウンセラーの資格とストレスチェック対策についてお話を伺った。

「健康経営」を軸に
持続的成長をめざす
フジケミ東京の組織変革

戸建住宅の新築・リフォーム用塗料の販売及び、塗装コーディネートを柱に事業を拡張しているフジケミ東京。同社は「健康経営」を軸に、人材育成に注力し、組織変革の節目に組織診断なども活用しながら社会に貢献する組織づくりに取り組んでいる。今回、同社取締役会長の斎藤信也氏、代表取締役社長の塩野泰三氏、管理部部長の平野実氏の三氏に、同社の組織変革の軌跡と今後の人材育成についてお話を伺った。

連載 中原 淳の学びは現場にあり!  第35回
言葉に出来ない「ハンドリング」の技をどう伝えるのか
「リハビリの先生」
理学療法士たちの学び

急激に高齢化が進む日本において、問題となっているのが、医療や介護分野の人材不足。 運動機能の回復を目的としたリハビリを行う理学療法士もまた人材の育成が急がれる仕事のひとつです。 今回は、理学療法士の仕事の現場を訪ねました。

寺田佳子のまなまな 第2回
女流囲碁棋士 吉原由香里六段に聞く
「プロの世界を生き抜くキメの一手」(後編)

寺田佳子さんのリニューアル連載第2回は、初回に続き吉原由香里六段との対談の模様をお届けします。 女流棋聖への挑戦権を獲得し、7 期ぶりの奪還に向け闘志を燃やす吉原六段(2016 年1月20日時点)。 “囲碁ヴィーナス”として多方面で活躍する吉原氏の「学びのセンス」に迫ります。

負けないマネジャーのための孫子 第17回
過信による判断をいさめる教え

「だろう・よかろう」と勝手に判断して行動していませんか。 マネジャーたるもの、事前準備とリスク想定は不可欠です。

社労士が斬る
イマドキお悩み相談
第11回 社員がSNSで悪口?

働く人の価値観の多様化から「働き方」も変化し、現場の管理職の悩みも“イマドキ”なものになってきています。 そんなイマドキな悩みの解決方法を、社労士の藤原先生が紹介します。

常盤文克の「人が育つ」組織をつくる
第8回 これからのモノづくり

戦後の日本経済を牽引した製造業ですが、近年は生産拠点が海外へ移り、国内の空洞化が課題です。日本のモノづくりは、どこに向かうべきでしょうか。元・花王会長の常盤文克氏が、これからの日本の企業経営と、その基盤となる人材育成の在り方について、提言します。

組織と個人の問題に効く!
心理学ミニゼミナール 第5回 思い込みの力

心理学の理論は、人事・人材開発の仕事にとって重要な手がかりです。 そこで、“使える”知見を、心理学ジャーナリストの佐々木正悟氏が解説します。

人材教育最前線 プロフェッショナル編
新しい「つなぐ」を生み出す人材で
世界のものづくりに貢献

あらゆる工業製品で使用されているねじをはじめとした締結部品を、ものづくりの現場に供給しているねじ専門商社のリネックス。2015年に創立50周年を迎え、次の50年に向けた新たなスタートを切った。そんな同社で、若手教育を中心に教育体系の構築を牽引してきたのが、管理本部総務人事グループマネージャーの武笠修治氏である。商社のビジネスを支えるのは、他でもない社員だ。広く社会に貢献し、企業価値を高めることのできる人材の育成に日々邁進している。

著者に聞く 『日本発、世界に飛躍「地球人財」がグローバル時代を勝ち抜く』
各界の第一人者の多様な知見から
グローバル人材育成のための
気づきや刺激が得られる1冊

「人と企業の国際化の推進」を基本理念に掲げる国際ビジネスコミュニケーション協会(IIBC)が、関係者に有益な情報を広く提供するグローバル人材育成支援の一環として開催している「地球人財創出会議」。グローバル人材育成に携わる関係者が集い、ゲストスピーカーと共に育成に関する諸課題について考え、学び合う場として注目の会議だ。本書は、同会議の講演と議論の内容をまとめたものである。刊行の目的や内容について、IIBC 常務理事の大村哲明氏に聞いた。

JMAM通信教育優秀企業賞 表彰企業事例報告 グローリー
「気づき」と「自律」で
イノベーティブ人材を育成

「学ぶ風土」を醸成している組織に贈られる「通信教育優秀企業賞」。 今回紹介するのは、日本初となる硬貨計数機の開発に続き、数々の画期的な新製品を相次いで開発してきたグローリーである。 同社は通貨処理機に関して国内シェアの約7割、金融機関向け紙幣入出金機でも世界シェアの6割を占めるトップメーカーだ。 高い技術力で常に市場を開拓し続ける同社は、研修や通信教育を工夫し、イノベーティブな人材を育んでいる。

JMAM通信教育優秀企業賞 表彰企業事例報告 渡辺パイプ
ジョブグレード制に通信教育を
組み込み自主的な学びを仕組み化

水と住まい、そして農業の領域で事業を展開し「元気で快適な生環境」づくりに取り組む渡辺パイプ。 同社は人事制度を整備して「ジョブグレード制」を導入。 そこに通信教育を組み込み、Webを使った受講促進の仕掛けも施して効果を上げている。

TOPIC1 どんな環境でも“善”を判断できる
実践知リーダーを
グローバルに育てる方法

一橋大学名誉教授・野中郁次郎氏の考え方をベースにしたリーダー育成プログラムがある。 「善」を軸に社会的イノベーションを起こすことのできる“実践知リーダー”の育成をめざしているというが、それはどんなリーダーで、どのように育成するのだろうか。

TOPIC2 eラーニングアワード 2015 フォーラムレポート
事例から学ぶ
ゲーミフィケーション、LMS導入のコツ

eラーニングアワード 2015 フォーラムが、今年も東京で開催された。 「日本e‐Learning大賞」の表彰式をメーンに、ICT技術を駆使した学習コンテンツや先進的な学習手法、またそれらの導入事例について、講演を通じて学べる貴重な機会である。 本稿では、注目の2講演について、その模様を紹介する。

人事の職場拝見! 第60回 豊田自動織機
ギャップを解決し、社員と組織が共に成長
「仕事の仕方」を浸透させるしくみ

自動車や産業車両、繊維機械の生産を手掛ける豊田自動織機には、若手に基本的な価値観と仕事の進め方を教える文化と、育成を連鎖させるしくみがある。その方法とは。