月刊誌『人材教育』2016年03月号

今月号の特集は「経験学習をアシストする仕組み」です。

組織行動学者のデービッド・コルブによれば、人が成長を重ねていくには、何か経験したら、その経験を省察(内省)し、そこから教訓抽出を行い、それに基づいて試行し、経験を重ねていくという「経験学習サイクル」から学ぶといいます。

しかし、社員一人ひとりやチームの経験学習の効果を高めるために、人材開発部門や現場のマネジャーは、具体的には、何ができるのでしょうか。

それには、「経験」をもっと緻密に見たり、一人ひとりの教訓抽出力を高めたり、チームで内省する習慣を持たせたりする必要がありますが、その機会はどのように設ければいいのでしょうか。

「具体的な方法」について掘り下げました。

めざせ☆経営型人事 書籍に学ぶビジネストレンド 第36回
「オフィス環境と働き方」を考える

ビジネスのトレンドを知っておくことは、経営や人材を考えるビジネスパーソンにとって必須である。 本連載では、データバンクに勤め、1日1冊の読書を20年以上続けてきた情報のプロが、最新のビジネストレンドと、それを自分のものにするためのお薦めの書籍を紹介する。

巻頭インタビュー 私の人材教育論
良質なサポートビジネスの鍵は
尊敬・革新・笑顔のマインド

IT化や急速なグローバル化の潮流の中で、企業を取り巻く環境は、ますます複雑化し激変している。 コールセンターやITサポートのアウトソーシングサービスを担う富士通コミュニケーションサービスも、ITアウトソーシングサービスからCRM(顧客関係管理)アウトソーシングサービスへと幅を広げてきた。 その転換や継続したサービスを支える組織として「ユニークな個性あふれる企業づくり」を推進するのは、社長の乙黒淳氏だ。 具体策を聞いた。

特集
経験学習をアシストする仕組み

組織行動学者のデービッド・コルブによれば、人が経験から学ぶ際には、「経験する」→「省察(内省)する」→「教訓を抽出する」→「適用する」→また「経験する」というサイクルから学ぶという。 しかし、社員たちがより良く経験から学べるようになるために、人材開発部門や現場のマネジャーは、具体的には何をすればいいのか。 例えば「良質な経験」をアレンジする方法や、経験の質に関わらずに教訓抽出をしたり、その後の糧にしたりするには、どんなアシストができるのだろうか。

OPINION1 経験学習の基本と、効果を高める方法
チームでの振り返りが
「経験からの学び」を加速させる

経験学習とは、そもそもどのような概念なのか。 また、経験学習の効果を高めるには、どのような支援が考えられるのか。 この分野における第一人者である、北海道大学大学院教授の松尾睦氏に聞いた。

OPINION2 転んでもタダでは起きない
失敗学に学ぶ
経験を力に変える仕組みづくり

人は誰でもミスをする。仕事にほろ苦い経験はつきものだ。 しかし失敗は、経験学習においては貴重な教材となるだろう。 個人と組織で “失敗”を学びの機会に変えるにはどうすればよいか。 そのヒントを、失敗学会副会長・事務局長の飯野謙次氏に聞いた。

CASE 1 竹中工務店
新人教育と経験学習
複数部門への配属と寮生活で
省察や概念化の視点を深める

新入社員同士が1年間、同じ寮で暮らし、作業所を含む2~3の職場を経験するという竹中工務店の「新社員教育制度」。 初年度を「基盤教育期間」と位置づけ、人事考課も行わず、自社の伝統継承と基礎づくりに時間をひたすら費やす。 半世紀以上続く、同社独自の新人育成法を経験学習の視点でひもとく。

CASE 2 良品計画
効率化のウラに経験学習あり
チームで振り返りを習慣化する
マニュアルと改訂の仕組み

「無印良品」ブランドを展開する良品計画では、全部門で 業務効率化のためのマニュアルと、それを常に改善する仕組みがある。 業務を明文化し、常に見直すために、社員やチームで自分たちの仕事を振り返り、学んだことを次のアクションに生かすという組織的な経験学習サイクルが回っている。 いかにしてそれが可能になったのか、経緯や秘密を探った。

INVESTIGATION ~管理職の経験学習調査結果より~
管理職の能力を伸ばす
経験・サポート・学びの姿勢とは

どのような経験のデザインや経験学習環境が望ましいかは、企業や業種、個人によってさまざまで、その“見立て”はとても難しい。 日本能率協会マネジメントセンター(JMAM)では、それらを少しでも明らかにすべく、従業員規模1000 名以上の企業に勤務する管理職及び管理職相当職を対象にアンケート調査を行った。 本稿はその抜粋報告である。

経営・事業に貢献する
人材育成の仕組みをつくるための
3つのポイント

経営・事業に貢献する人材を育成するには、育成の仕組みづくりが必要となる。自社にとって有効な仕組みにするためには、どのような点に気をつけるべきだろうか。HRM 領域のコンサルティングに携わる日本能率協会コンサルティング(JMAC)HRM 革新センターのチーフ・コンサルタント、村上剛氏に聞いた。

アセスメント+反復演習で
良質な経験を積み
管理職のマネジメント力を向上
日本シイエムケイ事例

自動車やスマートフォンなどで使われるプリント配線板の専業メーカー、日本シイエムケイ。同社は管理職教育に日本能率協会マネジメントセンター(以下、JMAM)が提供する研修プログラム「GR-72」を導入、アセスメントによる内省と反復トレーニングによるマネジメント力の向上を図っている。今回、日本シイエムケイの河島正紀氏、田中典宏氏に同社の管理者教育について、お話を伺った。

寺田佳子のまなまな 第3回
日本大学生産工学部創生デザイン学科 三井和男教授に聞く
「幸せなキモチの構造デザイン論」(前編)

今回のお相手は、寺田さんが「プレゼンテーション」の授業を受け持つ、日本大学生産工学部創生デザイン学科で、構造設計を研究する三井和男教授です。 「アートとテクノロジーの融合」「柔らかい工学」というユニークなテーマを掲げる学科の、ユニークな学びのお話を、ユニークな研究室で伺いました。

負けないマネジャーのための孫子 第18回
「危機感」で有事を乗り切る教え

社員が安穏として危機感に欠けていると感じる経営者は多いものです。 どうすれば危機感を抱かせることができるのでしょうか。

社労士が斬る
イマドキお悩み相談
第12回 低パフォーマンス社員への対処

働く人の価値観の多様化から「働き方」も変化し、現場の管理職の悩みも“イマドキ”なものになってきています。 そんなイマドキな悩みの解決方法を、社労士の藤原先生が紹介します。

常盤文克の「人が育つ」組織をつくる
第9回 これからの人づくり

時代のあらゆる流れを受け、日本の企業の経営や組織運営の在り方は岐路に差しかかっています。人が育つ組織に必要なこととは。 元・花王会長の常盤文克氏が、これからの日本の企業経営と、その基盤となる人材育成の在り方について、提言します。

組織と個人の問題に効く!
心理学ミニゼミナール 第6回 社会的怠惰(ソーシャル・ローフィング)

心理学の理論は、人事・人材開発の仕事にとって重要な手がかりです。 そこで、“使える”知見を、心理学ジャーナリストの佐々木正悟氏が解説します。

人材教育最前線 プロフェッショナル編
チャレンジを促す教育と評価が
「オルビスが好き」な社員を育てる

「社員に愛される会社であってこそ、お客様に愛される企業になる」――取締役管理部門担当で人事・組織改革部長の福島幹之氏が10年にわたる店舗運営の中で体感し、確信したことだ。 スキンケア用品や化粧品の開発・販売を主力とするオルビスでは、2012年から本格的にブランド再構築に取り組み、顧客への新たな価値提案をめざしている。 そうした中、福島氏は、社員一人ひとりが立場や役割を越えてチャレンジし、力を発揮するための教育と環境づくりこそが自らの役割であり、結果的に会社とお客様にプラスをもたらすという。

グローバル調査レポート 第12回
グローバル企業が実践する
ハイポテンシャル人材の選抜と育成

グローバル化の進展やテクノロジーの進化など、日本企業を取り巻く環境は目まぐるしく変化している。 今、そんな荒波を切り拓く次世代リーダーが求められているが、その予備軍となるハイポテンシャル人材の選抜と育成に悩む企業は少なくない。 グローバル調査をひもときながら、日本企業にとってのヒントを模索する。 Reported by: KORN FERRY (HayGroup)

業界別育成課題とポイント
鍵はスーパーバイザーや
外国人材の育成・活用

業界・業態によって、必要とされる能力や専門知識とその教え方は異なる。 その違いを紹介する連載の第1回目は、多種多様な業種・業態の企業が加盟する日本フランチャイズチェーン協会に、人材育成の取り組みについて聞いた。

TOPIC 日本企業復活のために
今、まさに育てるべき人材像と
人材マネジメントの在り方

経済格差や教育格差など、今、日本社会ではさまざまな分野で格差が進んでいる。 企業間格差の進行も著しい。業界により世界トップクラスの企業がある一方で、日本のお家芸とされた業界でグローバルな争いに沈む企業がある。 かつて“Japan as No.1”と世界から賞賛された日本企業が、再び輝きを取り戻すためにはどのような人材が必要なのか。 関西経済同友会常任幹事・事務局長や大阪国際会議場社長などを歴任し、半世紀以上にわたり経済界と深く関わってきた萩尾千里氏に聞いた。

人事の職場拝見! 第61回 百五銀行
基礎を固めながら固定観念を打ち破る
変革をもたらす、しなやかな育成施策

三重県と愛知県を中心に展開する地方銀行の百五銀行では、“人の力”で他行との差別化を図る。 そのカギは、変革を視野に入れた発想力と行動力のある行員の育成だ。